給与が低い?大企業で働くメリット・価値はどこにあるのか

採用や人財育成を担当していると「大企業で働く価値」が見えにくくなっているように感じることがあります。

ベンチャーや起業、外資など優秀層には多くの選択肢があるなかで、大企業で働く価値はどこにあるのでしょうか。私自身は大企業→専業主婦→中小企業→大企業というキャリアを歩んできて、様々な制度を味わいました。大企業は従業員数300名以上が定義ですが、ここで想定する大企業は日経225に含まれる会社を想定してください。

今回は、「大企業のメリット」だと思うことのなかでも、意外と知られていないのではと思うことをご紹介します。

外資企業やベンチャーは、短期的な勤務視点で給与が高くても、保険や年金などの酔い制度がないケースもあります。会社によって制度は全く異なりますので、あくまでこういう会社もあるのだと思ってください。

そして、大企業で働く人は、制度が細かすぎてわかりにくい可能性がありますが、改めて自社の制度を調べてみてください!

企業健保は大企業社員にとって超お得!!

保険って税金だから、みんな平等って思っていませんか?医療費は3割負担、それは常識です。そんな話ではありません。

大企業の健康保険組合には、社員の負担を軽減する特別な仕組みがあります。入社するときにも細かいかい説明がないので、大企業の社員がどれくらい会社に守ってもらっているのか、知らないかもしれません。

でも、健康組合については所属する健康保険組合によって違うのです。会社の健康保険によってバラバラなので、大企業社員やそのグループ会社で健康保険組合に入っている方は、ぜひ自分の健康組合を調べてみてください!

健康保険料の自己負担が安い

健康保険組合のない中小企業の社員は、協会けんぽの健康保険に入ります。そして、健康保険組合のある大企業の社員は、自分の会社の健康組合に入ります。健康保険料は被保険者の月俸(標準報酬月額)によって変わります。

例として、2022年の東京中小企業とトヨタ健康保険で比べてみましょう。

今回は標準報酬月額が38万円=等級26、介護保険の負担は不要の39歳以下、を例に考えてみます。HPに公表されている保険料率を見ると、毎月の自己負担金額が分かります。

中小企業だと18,639円、トヨタ自動車だと14,896円でした。差は月に約4000円、年に48000円になります。

還付金で病気の時に医療費負担が3割からさらに軽減

大企業の健保によっては特別な還付金で最終的な自己負担がさらに軽減されます。

例えば、入院や手術をして1か月100万円かかったとして、自己負担は3割の30万円。さらに、還付金により窓口では30万円支払ってもその後28万円が還付され、結果的な自己負担はたった2万円になります。

保養所として会員制ホテルに宿泊できる

その会社の健保に入っているだけで、ホテルの割引が受けられます。

また、高級な食事がとれる料亭のようなところが社員限定で予約できたり、特別な旅館があったりします。

今での最初の会社の保養所の食事が恋しくなることがあります。就活の時のアピールに使うほどの効力は全くありませんが、社員として地味にいい場所だったなぁと思うことがあるのです。

万が一の時の弔慰金で家族が安心

前向きなお金ではないので、入社時に人事が自慢気に話すことはないと思いますが、大企業では弔慰金として万が一の家族へのサポートも充実しています。

会社によって金額には大きな差がありますが、数百万円から1千万円を超える支給がある会社もあります。これは、会社の過失や業務時間内で何かあったときのものではなく、従業員であればというものです。当然、業務時間内や会社の過失ならもっと大きな額の保障があるでしょう。

自分に何かあったとしても、家族にお金が支払われるのは、大企業で働くメリットの一つと言えると思います。

教育・研修にお金をかけてもらえる

大企業の多くでは、研修があるのは当たり前。就業時間中に受講できるのも当たり前です。業務で必要なスキルや知識の付与であり、上司の指示により受講するものは業務に該当するという考えです。

人材開発系の子会社を持つ企業だと、数え切れないほど多くの研修講座から受けたいものが受けられます。

私は、中小企業に転職したときに、この差に衝撃を受けました。大企業が如何に研修を豊富に用意していたか、受講できる環境が当たり前ではなかったことを知りました。もちろん中小企業ならではの良さはあり、小さいからこそ小回りが利く柔軟性は魅力です。

人数の力で自己啓発も割引!

大企業では自己啓発もお得に受講できます。最近では、Udemyの受け放題が、リスキリングとして提供される会社も増えてきましたね。1講座が数万円、キャンペーン期間でも数千円するものが受け放題となると、成長したい社員に大きなメリットですよね。

また、従業員数の多い大企業と契約することは、業者にとってもメリットがあります。従業員へ宣伝してもらえることで受講率が高まるのは嬉しいことですよね。そのため、ある業者の通信教育は10%オフだったり、特別なサービスが受けられたりします。

まとめ

大企業での勤務には、私たちが普段あまり意識していない多くのメリットがあります。中小企業や外資系企業にはない特別な制度やサポートがあり、それが社員にとって大きな助けとなることも少なくありません。

今回ご紹介したように、大企業の健康保険組合の充実度や研修・自己啓発の機会、さらには万が一の時の弔慰金など、さまざまな面でのメリットがあることを知ることで、改めて大企業で働く価値を感じていただけたのではないでしょうか。これらの制度やサポートは、意識して初めてその価値に気づくことも多いものです。ぜひ、自分自身の会社の制度を見直し、そのメリットを最大限に活用していきましょう。

大企業の良さを再認識し、自分のキャリアや生活にどのように役立てていけるのか、考えるきっかけとなれば幸いです。

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