コロナも収まり、これから留学しようかな?でも、留学はお金もかかるし、時間もかかる。「興味があるけど、勇気が出ない」「意味のある時間が過ごせる自信がない」など不安を抱える人は多いのではないでしょうか?
私も留学に興味はあるけど勇気が出ずに、迷っていた時代がありました。
でも、失恋をきっかけに踏ん切りがついて、留学したことで人生が変わりました。
私は1回目のカナダ半年留学では、英語がペラペラにはなりませんでした。TOEIC450点から700点という微妙なレベルアップです。それでも、10年以上前を振り返ってみて、留学したことは大いに意味がありました。
東証プライム上場の大企業で人事として働く30代の私が、大学生に向けて、社会に出て留学が如何に役に立つのかをお伝えします。
次のような人にぜひ聞いてほしい話です。
- 留学してみたいが勇気が出ない
- 自分に自信がない
- 就活で語れるエピソードがない
就活では留学で得た「経験と学び」が役立つ
私が留学した理由のひとつが、「就活に役立つかも」というところでした。サークルにも部活にも入っていない、大学で頑張ったことがない人におすすめです。
「就活・転職に役立つ」と言うと、「ただ行けばいい」「英語力をUPさせるのが目的」と勘違いする人がいるようですが、それは違います。留学に行くことや、英語力を向上させることは、就活の観点からすると重要ではありません。
就活では「定量的に言うべき」とか小手先のテクニックを耳にしますが、1シーズンに何百人も面接をする人事からすると、学生さんが学祭で100人集めようと、50人集めようと、どっちでもいいです。また、取り組みが失敗しても、成功しても、どっちでもいいんです。
面接では、あなたが何を考え、何を原動力に、どういう行動をして、結果的にどうだったのか、そしてそこから何を得たのか。その過程が「だけ」が大切です。なぜなら、行動の再現性が期待でき、自社に入社してからも同じ考えで頑張ってくれそうだなと思えるからです。
留学でアピールすべきことは人それぞれでOK
では、留学では何をアピールすればいいのでしょう?
先ほどの枠に当てはめて、自分らしさを語ると良いでしょう。例をあげてみます。
- 留学という決意になぜ至ったのか、その経緯と熱い思い、そして留学後の今考えること
- 留学するためにアルバイトを掛け持ちし、自分で最安で行ける方法を調べた計画性
- 好奇心旺盛で新しいことに前向きにチャレンジする行動力
- 留学に反対する親を如何に納得させたのか、そしてそこから得た教訓
- 留学で準備不足が露呈したものの、それをリカバリし、むしろより良い経験とした柔軟性
- 留学でがむしゃらに英語を極めてTOEIC300点から半年で990点まで上げた達成力
やや強引なものもありますが、いろんなパターンが考えられます。エピソードは何でもよくて、なぜそう考えて行動したのかが大切です。自分らしさが語れるものを用意しましょう。ちなみに、「英語力を向上しました」は、最後の例に書いたように、特別なレベルアップがない限りは書かないほうがいいです。英語ができるのは「普通」なので、プラスアルファ何を得たのかが必要でしょう。
また、英語圏じゃなくてもいいでしょう。その場合は、特に「なんで?」と聞かれるので、なぜその国に興味を持ったのかは話せる必要があります。
就活にこれをすれば正解というのはありません。相性があるので、これを話せば正解というのを探すのに無理があります。自分の考えを語って不合格になるのであれば、それはご縁がなかったということなのです。
社会人生活で留学で得た英語抵抗力が役立つ
留学で英語がペラペラにはならない場合もあります。私もそうでした。でも、英語を話すことへの抵抗感のなさは、英会話力のない日本人にとって、非常に心強いものとなるのです。
たとえグローバル事業を担当しなくても、人事でも、日本企業で働いていても、突然英語に出くわす機会が稀にあります。例えば、私の仕事だと「英語で会議の司会やってくれる?」と言われたことがありました。また、自然に海外拠点の現地の方から、英語でメールが飛んでくることもありました。外国への出張のときも、出張先が外国であることへの不安は一切ありません。
英語が完ぺきではなくても「なんとかできる気がする」というのが、留学経験者の強みです。これは、留学で「話せない」「通じない」「うまくできない」という壁にぶち当たり、それを乗り越えてきたからこそ得られた自信です。
留学していなくても、上記のグローバル対応を難なくこなす人はいるでしょう。むしろ、そういう人のほうが多いです。でも、英語にはとても苦労する日本人が多いのも事実。
また、憧れの駐在者の場合、言語の問題やコミュニケーション、文化の違いなどに加えて、業務の重圧があり、それに押しつぶされてしまう人も少なくありません。今挙げた問題のうち、いくつかだけでも、学生時代にクリアしておけば、一歩得した気持ちで仕事ができること間違いありません。
全く異なる人生観を目の当たりにすることで人生が変わる
外国人の考え方は、根底が日本人と違います。自分に自信のない人におすすめしたい理由はこれです。自信のない人は、人生のどこかで、自分を傷つけられる経験をしたことのある人だと思っています。私の場合は、小学校時代での、方言に対するいじめでした。私は気が強くパワフルな印象を与えるようですが、実際は自信のなさの塊です。でも、そんな私の支えになっている価値観は、海外への滞在経験で培いました。
外国では、みんな自分の人生を生きていて、当たり前や普通がないことを体感できます。周りと違って浮くこともありません。むしろみんな同じなんて気持ち悪い。
例えば、イメージしやすいように具体例を書いてみます。。
- 日本の飲み会では「とりあえずビール」という謎の常識がありますよね。でも外国では、みんなが自分の好きなドリンクを飲みます。
- 日本では時間を守るのは当然のこと。待ち合わせに4時間遅れて、「あーごめんごめん、コーヒー持ってきたよ~飲む?(にっこり)」なんて友達はいないでしょう。そんな出来事がありました。
- 国によりますが、愛想笑いなんてしません。日本人が良かれと思ってやっている態度ですが、軽そう・本音が分からない、という印象を持たれることもあるようでした。「なんで面白くもないのに笑うの?で、あなたはどう思うの?」と言われたことがあります。
- 英語を話すとなっても、RとLの発音とか、カタカナ英語かどうかとか、気になりませんか?でも、各国で発音しにくい音があるので、どの国も似たようなものです。だから誰も気にしません。
- 自分も、親も失業したら、日本だったら非常に苦しい気持ちになるでしょう。それでも明るく楽しく暮らす人生って、不思議だと思いました。
日本で気にしていた小さなことは、本当に小さなことだと痛感します。また、自分の人生をよく考えていて、その人生観に驚かされることもあります。いろんな人生を聞いて、自分の考え方に幅が出ること間違いなしです。
性格が寛容にもなる
これは全員には当てはまらないと思ったので、小さな見出しにしました。
よく、昭和的管理職がいいそうな「お前、こんなの当たり前だろ?」というセリフが、外国人相手には当てはまりません。留学では「なんで、そう考えるんだよ」と思う出来事が起きます。でも、それに対して驚いたり、イラついているのが、自分だけであることに気づきます。周りの外国人は、気にしていないのです。如何に自分の心が狭いのか、恥ずかしいと思いました。そう思う留学経験者は多いはず。そして、日本に帰国して、「日本人だって、人それぞれだ」ということに気づきます。
当たり前とか、普通っていうことは、存在しないのです。
その「当たり前」に気づくことができれば、人に寛容になれます。ああ、この人はそういう人なんだ、それで終わりです。「なぜこんなことが理解できない?」と、いちいちイライラすることがなくなります。そんなことで自分の心をすり減らすのが無駄だとわかるからです。
自分の当たり前を押し付け、他人を責める人は、パワハラだと言われる世の中になったので、社会人としても「寛容になる」というのは意外と必須のスキルだと考えています。ストレスコントロールの側面からも重要です。
世界中に友達ができて情報感度が高まる
語学を学ぶための留学では、その国の人以外の人と出会う機会が多くなります。ニュースや新聞で情報を得なくても、各国の友人が与えてくれる情報は有益です。
私がぱっと思いつく、留学で出会った外国人の友人の出身国は次のとおりです。韓国、中国、トルコ、ドイツ、ベトナム、イタリア、スペイン、アルゼンチン、リビア、インド、シリア、ブラジル・・・ほかにもいろんな国の人と出会いました。時代によってコミュニケーション手段はバラバラで、Facebook、インスタ、Whatsappなど様々なツールに移り変わります。
でも、そこで流れてくる情報は、日本人と会話していたら出てこないようなものばかりでした。世界のトレンド、世界の情報を様々な視点でリアルに知ることができます。
よく宗教や政治についてはタブーということを聞きますが、社会としてはタブーでも外国人同士で、お互いが知りたい場合は喜んで教えてくれるように思います。自分とは違う価値観に触れるたびに、世界が広がる感覚を得られるでしょう。
新聞やネット、テレビなどの作られたメディアで得られる情報は、広告や誰かの意図が入っていることばかりなので、うんざりします。必要な情報はネットに落ちている、と思っても、それだってどこの誰が書いているかもわからない、嘘か本当かもわからないものばかり。(もちろんこの記事も。苦笑)
こんな時代だからこそ、自分で作ったリアルな友人のリアルな世界の声が貴重なのです。
各国の知識は社会人になっても役立つ
社会人になると、幅広い物事への興味関心、知識が思わぬところで役立ちます。留学で遊びながら、話しながら得られる外国に関する知識が、無意識のうちに役に立つことが人生のあらゆる場面であるのです。
例えば、「ひらめき」というのは、自分の過去の経験からうまれるものであり、過去に様々な経験をした人のほうが、いろんなストックが無意識にあるので、いろいろ結び付けてアイデアを出すことができます。ちなみに、人間が自分で「意識化」できているものは、自分の脳内のたった1割とか1%とか言われています。
例えば、仕事で最も重要なのはコミュニケーションスキル。という仕事は多いです。これは営業だけではなく、技術系の仕事も同じですよ。人と仲良くなる時に大切なのが「共通点」です。共通点が多い人に、人は親近感がわきます。よく会社に各大学のOBOG会があったりするのも、そういうことです。共通点の一つとして、各国の豆知識が話題作りに役立つことは意外と多いです。
海外旅行の経験もコミュニケーションのきっかけになる
話題という意味では、海外旅行の経験も生きるでしょう。留学を考える人、留学に行った人で、海外旅行が嫌いな人はほとんどいないのではないでしょうか。外国というハードルも、外国人とのコミュニケーションというハードルも、留学によって低くなったとき、海外旅行は国内旅行と同じ感覚で、気楽に行ける観光地のひとつになります。
英語のできない人の海外旅行へ行くときの準備を見ていると、英語ができてよかったと本当に思います。わざわざ無駄に高く、経験できることも限られるツアーに参加する必要もありません。
息をするかのように海外旅行に行けるので、次の連休はベトナムに行こうかな~とかも可能です。また、個人旅行で準備すれば、日数にもよりますが、東南アジアなら10万円以内で余裕です。自分の知識の幅も、本やテレビ、動画で知る情報は記憶に残りにくいですが、自分で外国に行ったときの記憶はしっかり残るでしょう。
経験することは一番の勉強、簡単に、楽しく、学べる最高のチャンスです。
まとめ
大学生の方に向けて、社会に出ても如何に留学が役に立つのかという視点で、できるだけ具体的な例も載せて書いてみましたが、留学の魅力は伝わりましたでしょうか?
社会に出るとまとまった時間が必要な留学はなかなかできません。社会人になってワーホリに行くという選択肢もありますが、自分のキャリアを中断させてまですることなのか、相当迷うでしょう。特に仕事がうまくできていれば、それを捨ててまで行動できる人は非常に少ないです。
私の知り合いでは、1人だけ、そういう行動力のある友人がいます。その人も一流企業に勤めていて、若くしてマネージャーとしてかなり評価されていたはずですが、自分の目標を叶えるために20代後半で外国に向かいました。
そういう人はレアケースです。あなたがそのレアケースに入れればいいですが、結婚や家族など、20代後半以降は自分以外の関係者も増えているかもしれません。そういうことも考えたとき、大学生という一番自由な時間を活用して、親にお金を借りてでも留学したほうがいいと私はお伝えしたいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!