ミャンマーは2011年に軍事政権から民主化したものの、まだまだ経済規模が小さい発展途上国です。
経済規模が小さい、ということを言い換えれば、これから経済発展が見込まれる面白い国とも言えます。東南アジアの多くの発展途上国は比較的発展してきてしまっているので、これから発展していく国を見たい方にはぴったりな旅先になるでしょう。
そして、発展する前に種をまいておきたい企業としては、重要な投資先にもなるのではないでしょうか。
そんなミャンマーに海外出張や旅行をするとなったとき、何を準備すればいいのだろう、と迷われる方も多いはず。
そこで、ミャンマー(ヤンゴン・ネピドー)へ行くために、私が準備したこととその後の感想をご紹介します。
予防注射
途上国への出張・旅行と言えば、必要なのが予防接種。ミャンマーは比較的治安が良く、一番栄えている都市ヤンゴンも危険な雰囲気はありませんでした。
しかしながら、衛生状態は良くなく、不衛生な環境の中で暮らすため感染症も多いです。いい国ですが、水も食べ物も衛生的ではなく、さらに野犬が多いミャンマーに行く際は、予防接種は必須です。
私が受けたミャンマー旅行者向け予防接種5種類
必要な予防接種は、国によるだけではなく、子どもの頃の予防接種状況や滞在期間によって異なるようです。私は以下の5種類を打ちました。初日は一気にたくさん打つので逆に病気にならないか心配になりましたが、大丈夫でした。ただし、接種当日は飲酒禁止です。
- 狂犬病
- A型肝炎
- 腸チフス
- 破傷風
- 日本脳炎
どの予防接種が必要かは病院で確認することが一番だと思いますが、厚生労働省検疫所のページに必要なワクチンの情報がありますので、チェックしてみてください。
ご参考:厚生労働省検疫所 FORTH
予防接種専門の病院での予防接種がおすすめ
海外勤務のための予防接種専門の病院が、オフィスが集まる都会にはあります。もちろん普通の病院でも予防接種はできますが、ワクチンがそろっていないこともあるので、事前に電話などで確認したほうがいいでしょう。
予防接種専門の病院に行くメリット
- 風邪をひきたくない渡航前に、病院に行って風邪をうつされるリスクが減る
- 専門の病院なので必要なワクチンは基本的に用意されている
- スタッフの方も慣れているので作業がスムーズ
予防接種を始める前は、こんな病院があることも知りませんでした。オフィス街にあるので会社の昼休みなどにも行けて大変便利。きっと儲かるんでしょうね。患者にとっては便利、医者にとっては簡単に儲けられる、WIN-WINのビジネスです。
出国1か月前には予防接種を受けにいく
予防接種は1回打てば明日には大丈夫!というものではありません。抗体ができるまでに時間がかかるものや、何度か受けなくてはいけないものがあります。
例えば、狂犬病は、①0日、②1回目から7日目、③2回目から21~28日目の3回接種が必要です。さらに接種すべきタイミングから少しでもずれてしまうと、もう一度①からやり直さないといけないそうです。
私が受けた予防接種の中で一番時間がかかるものが狂犬病で、出国1か月前ぎりぎりだったのでヒヤヒヤしました・・・。
国産か輸入版かを選ぼう
予防接種専門の病院だったこともあってか、いくつかの予防接種では国産と輸入を選べました。
日本国内未承認の輸入版だと万が一問題が起きたときにも、健康被害に関する救済制度の適用対象外となります。そのため、輸入版を使うときは、救済制度適用外ということを承知しました~という内容の署名をさせられるため少し怖かったです。
不安はありましたが、輸入版のほうが接種すべき回数が少なかったり、効果が長く続くものがあり、将来的なことも考えて、効果がよさそうなものは輸入版にしました。
1回の出費が数万円と大きい
予防接種は保険がきかないので、びっくりするような金額を請求されます。数回に分けて接種しましたが、毎回の請求金額は3万円以上だったと思います。
自己負担であればかなりの出費になってしまいます。それもあってか、クレジットカードが使えたのは助かりました。現金持ち歩かない派なので現金を要求されたら危なかったです。
予防接種後、腕に強めの痛みが長引く
予防接種後に一番怖かったのが、2,3日腕が痛かったことです。痛くて死にそう!という程ではありませんが、腕を上げると二の腕周辺に強めの痛みを感じました。
インフルエンザの予防接種のように、当日や翌日にちょっと腫れる程度ではないです。
インフルエンザしか経験のない私は、予防接種後に強めの痛みが続くことの経験がなかったので、何度もインターネットで、「狂犬病 予防接種 痛い」などと検索しておびえていました。
検索してみると、犬の予防接種の話ばかり出てくるんですよね。私の実体験と周囲の経験者の話から、途上国出張用にいくつかの予防接種を受けた後、しばらく痛いのは普通みたいなのでご安心ください。
気になる病気は予防しておくに越したことはない
狂犬病は任意接種だったので受けるか迷いましたが、やってよかったと思いました。
実際にミャンマーを訪れると、驚くほどあちこちに野犬がいます。日本の野良猫を時々見かける程度ではなく、普通に歩いていれば1分に1度は見かけます。大人しく寝ている犬ばかりですが、予防接種していなければ、ホテルを出て少し歩くだけでもかなり怖かったはずです。
見にくいですが写真の遠くの黒い置物みたいなのが全部犬です。日本の野良猫より圧倒的にたくさんいます。
自分が心配性なのもありますが、命に代えられるものはありませんので、少しの手間は惜しまず予防接種は念入りに受けておきたいところですね。
蚊の多いミャンマーのために虫除けグッズ
ミャンマーにはマラリアやデング熱の感染のきっかけを作る、感染媒体である「蚊」がたくさんいます。
マラリアには服用薬があるようですが、私が訪れる地域で推奨されてはいないので、病院でもらえませんでした。アフリカ等と比較するとリスクが大きくないということなのでしょうが、心配なものは心配です。予防策は蚊に刺されないようにするしかありません。
そこで私は全力で虫よけグッズはいろんな種類があるので、以下を見ていきましょう。
①定番!虫よけスプレー
虫よけと言えば、定番のスプレータイプ。飛行機でも問題が起きないように、「缶ではないスプレータイプ」を私は用意しました。手荷物で持ち込む場合は、液体の持ち込みは100ml以上の容器はNGなので、気を付けてください。
おすすめは、現地で毎朝フル活用するための大きいスプレーと、外出先でもカバンに入れて使用できる小さいスプレー2つ用意することです。実際、空港について入国審査でかなり待たされ、そこにも蚊がいたので、手荷物に入れておいてよかったなと思いました。
②腕に着用できるタイプ
とにかく蚊が怖かった私は、念には念を入れて、腕に着用できるタイプも装備していました。かなり匂いを発していて、数週間何度も使えるので便利です。
ただ、両腕につけていると鼻につく匂いを腕輪が発し続けているので、時々頭が痛くなったり、気分が悪くなったりしました。そのため、腕につけるのはやめて、外出先で着席しているときは、靴の上において置くベープ代わりに使ったりしていました。
③部屋にもおけるタイプ
私はこれは持っていきませんでした。理由は、ホテルの部屋が結構広いので使ってもあまり意味ないと思ったからです。でも、携帯でも使えるようなので②のリングタイプのかわりに持って行ってもよかったなと思いました。調査不足でした。
置くタイプを買わなかったかわりに、効果があるかは謎ですが、寝る前にベッドを囲むように虫よけスプレーをシュッシュとかけていました。ホテル内に虫よけの機械があるものの、蚊がいるので置くタイプもあるといいのでしょうね。
虫よけの効果
虫除けの効果は、日本のものより現地のものの方が「強い」そうです。日本はディート12%が最大ですが、現地では20%のものもあります。
ディート(Deet)という数値が高い方が、効果が長持ちします。きっとディートが高すぎても体に悪影響の恐れがあるなど、別のリスクがあるからこそ日本のディートは最大12%なのだろうと思い、私は現地のものは使いませんでした。気になる方はぜひ現地のものを購入してみてください。
ちなみに、虫よけグッズ以外にも、暑いのを我慢して長そで長ズボンを徹底するという、異常な程の蚊対策をしたおかげで、2週間の滞在中、私は1度も蚊に刺されませんでした!笑
トイレットペーパー代わりに水に流せるポケットティッシュ
ミャンマーにはトイレットペーパーのないトイレがたくさんあります。現地民はシャワーのような水が出る道具と手で洗って済ませるのだそうです。確かにエコな方法ですが、弱潔癖日本人からすると、洗い流す水も方法も衛生的に心配が大きいです。
トイレットペーパー代わりに、水に流せるポケットティッシュはカバンにひとつは入れておくと安心です。
栄養補給にカロリーメイト
食べ物がおなかに合わなかったとき用にカロリーメイトとウィダーインゼリーを購入しました。
しっかり栄養が取れておなかにもある程度たまるものは、現地の食べ物を体が受け付けられない時に役立ちます。空港のコンビニにもありますが、定価なのでドラッグストアで購入しておくといいです。
次回ミャンマーに出張に行く機会があれば、私はこれを大量に持っていきます。おなかに食べ物が合わなかったからです。笑 ミャンマー料理は脂っぽいことで有名ですが、さらに辛い。食には本当に気を遣って、絶対に生ものは食べず、熱したものだけ、果物も皮を自分で剥くもの以外は食べずにいたのですが、ミャンマー滞在中、腹痛+下痢でまともな料理はあまり食べられませんでした。
そんなときに、カロリーメイトやウィダーインゼリーは強い味方。 現地のイオン系スーパーでも、プライベートブランドのものが買えるので、日本から持っていかなくてもいいかもしれません。ただ、売り切れの場合にも備えて、私は次回も必ず持っていきます。
脱水対策にポカリの粉
食中毒になると下痢が続くことがあります。脱水対策に、水分を持っていくのは現実的ではないので、ポカリや脱水対策用の水に溶かせる粉を持っていくとよいでしょう。カロリーもとれるので、下痢でげっそりしているときには本当に助かります。
最後に
以上、私がミャンマーへの出張のために準備してよかったなと思ったものたちでした。備えあれば憂いなし!荷物はできるだけ少量にする派でしたが、今回ばかりは珍しく大きめのスーツケースで行ってよかったなと思いました。海外出張にも早く慣れて、荷物も少量化させられたら嬉しいです。
ちなみに、私は乾季に訪れたので雨に悩まされることはありませんでした。しかし、雨季は水はけが悪くベチャベチャになるようですので、レインコートや汚れてもいいサンダル、そして覚悟が必要になると思います。ご注意ください! 最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
※この記事は2018年当時の情報を掲載しています。