失恋を引きずった挙句に半年カナダ留学して人生変わった話

最近は留学する学生が減っているという話を聞き、思い出を振り返ってみることにしました。留学はお金も時間もかかる自分の未来への投資です。

私は、小学生の時に引っ越しをきっかけに、方言がキモいといじめにあいました。そこから、家以外で明るい自分をさらけ出すことのできない人になってしまいました。暗い性格でクラスでも大人しく過ごす日々は楽しくなかったです。

高校2年生で恋愛をすることで少しずつ生まれ変わり、大学で留学したことで、更にコミュニケーションへの姿勢が前向きになりました。結果として、東証プライムの会社で、人事として活躍できるようになるまで成長しました。(昔の私からすれば、すごいことだと思っています)

小中学生の時、クラスの端っこで大人しくしていた私が成長できたことの理由の一つは、留学です。ほとんど勢いで始めた恋愛依存症(笑)の私の留学でしたが、どのように、何を得たのかお話しさせていただきます。

留学のきっかけは初めての大失恋だった

私は一流企業に入るために、大学受験で出来るだけ偏差値の高い大学に行きました。入学後は、楽しい大学生活を送りたい気持ちもありましたが、頭の片隅には「浪人の彼氏」。

当時、私には高校時代から付き合っていた彼氏がいました。小学校でいじめられ、中学でも暗く地味に生きていた私の人生を変えてくれた、初めての彼氏でした。同じ大学を目指し、一緒に塾に通って、私だけが合格し、彼は浪人生になりました。

私は、彼に気を遣いつつも、友達を作ったり、サークルを探したり、バイトを探したり、憧れの大学生活を送り始めます。大きな環境変化で、楽しいというよりは、ストレスのほうが大きかった気がします。とにかく大学生活は最初が肝心。失敗してはならないと、全ての環境で無理をしていました。

その心の支えになっていた彼氏でした。しかし、大学生になってたった数か月で、私は彼にフラれました。理由は覚えていませんが、私のことなので、彼の勉強の邪魔をとことんしてしまったのでしょう。

高校時代から2年半付き合っていた彼氏だったので、実家の周りから周囲の観光地、どこへ行っても彼との思い出だらけ。大学1年生だったので、彼氏なしの女の子は、どこへ行ってもちやほやされました。それでも、私の気持ちは落ち着きません。何をしても、彼のことを考えてしまう。ちやほやされていることに喜びつつも、彼のことが忘れられなくて涙を流す日々。

周りの友達は時間が解決してくれると言いますが、私は、半年たっても楽にならなかった。どこに行っても思い出だらけでツラい「彼のことは忘れたいのに」と嘆きつづけます。

そうだ、留学しよう!

私が留学を思い立ったのは、ただ失恋をした、それだけでした。でも、18年しか生きていない私にとっては、これまで経験したことのない、とても大きな出来事だったのです。そして、私はその苦しみから逃げるために、国外へ逃げることにしたのです。

留学のお金はアルバイト?

留学にはお金が必要です。私は、アルバイトをした気がします。これに関して、異常に記憶があいまいです。なぜなら、就活の時に何十回と話した留学エピソードが、「バイトでお金をためて計画的に留学した」というものだったからでした。失恋して留学したなんて、言えないじゃないですか。笑

私は学生時代に、3つのアルバイトをしていたので、お金を貯めたのはウソではありません。ただ、その時系列と因果関係が、10年以上たった今やもう記憶が定かではないのです。

親にお金を借りたような気もします。でも、とにかく100万円くらいで留学したと思います。当時の私にとっては、大金でした。

留学先はカナダに決めた!

留学先は、カナダに決めました。英語の留学と言えば、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、カナダです。一番発音が一般的な国と聞いて、カナダに決めました。雪のたくさんあるところで暮らしてみたかったのもあります。

出会いを求めて私費留学に

当時の大学生の留学は、交換留学、大学のプログラムでの短期留学、私費留学(大学提携外)の3択でした。

私は私立文系のくせして英語が苦手で、受験も世界史ほぼ満点で勝ち残ってきたタイプ。TOEFL450点(TOEIC換算で約450点)で交換留学に行ける大学はありませんでした。

大学のプログラムでの短期留学は3か月。金額は手ごろでしたが、大学で行って、大学の友達と仲良くなって、帰ってくるなら意味ないな、と思って対象外に。

私費留学なら、自分の行きたいところに行きたいようにいけます。でもそれは、すべてを自分で調べて、自分で調整して行くということです。「ハードル高そう、いや、なんか面白そう!」ということで、留学先探しから始めます。

私費留学にも2種類あります。一般の語学学校に行くか、大学付属の語学学校に行くかです。私は、大学付属の語学学校だけに焦点を当てました。現地の大学生と交流したかったからです。

どの大学にするかを考えるときは、「せっかく私費留学するのだから自分の大学の提携外がいい。でも、変なところにするのもリスクだろう」と考えて、慎重に選びました。各大学の提携大学を調べあげました。とにかく失恋の傷を癒すべく、彼よりもいい男性との出会いを求めて、憧れの大学の提携先だった大学に、私は留学先を決めました。

英語が口から出てこないので筆談

日本人ではなく外国人と関わるのだ!そう決めて挑んだ初めての留学。

今でも残っている最初の記憶は、ホストマザーの家について、英語が全く話せずに筆談したことです。大学受験して1年、大学でも英語の授業はあったので、苦手とはいえ英語力がゼロではありません。そう思っていました。

いざ、外国人を目の前にすると、英語が口から出ない。「This is a pen.」さえ言えない勢いです。ゆっくり話してくれているので、言っていることはわかります。でも、口から英語が出てこない。頭ではわかってるのに、話せない。

今なら「オンライン英会話で練習してから行けよ」ですが、当時は1万円でフィリピン人と毎日30分話し放題なんて、そんなものありませんでした。

また、ホストマザーが何気なく使う日常会話の単語の意味が全く分からないのも、大問題。受験に出てこない英語が多用されることも知らなかったのです。笑

私はメモを取り出し、ホストマザーに言いたいことを書きました。「話したいんだけど、うまく伝えられないので紙に書きます」と書きながら、悲しい気持ちになったことを今でも覚えています。もどかしい気持ちでいっぱいでした。

日本人とつるむのは愚か者か

「日本人とつるむなんて留学する意味ないじゃん。笑」と、出国前は息巻いていた私ですが、ホストマザーとの数日でぐったり。

初登校の日、語学学校の受付も大いに手間取り、恥ずかしい思いをしました。先が思いやられるような暗い気持ちできょろきょろしていると、大学付属語学学校の入り口付近の柱にもたれかかっている日本人らしきイケメンを発見。

「日本人ですか・・・?」日本人とつるまないと言っていた私が、語学学校で最初に話しかけたのは、結局、日本人男性でした。

この日本人がいるかも!!という期待に満ちた自分の気持ちが強すぎたのか、10年以上経って写真もないのに記憶に残っている「2つ目の記憶」がこれでした。

さて、日本人とつるむのが無駄なのか?

私は、留学先で日本人とつるむのは、無駄ではないと答えたいです。

日本人と一緒に過ごしたからこそ、海外、初めての一人暮らしも何とか乗り越えることができました。また、日本人の友人に紹介してもらって、日本語を勉強している大学生と仲良くなることができました。彼らは日本の文化(ほとんどがアニメ)に興味があり、私のような英語もつたない日本人に友好的です。ネイティブの考え方、生活、いろんなことを彼らに教えてもらえました。感謝しかないです。

日本人とは関わらないポリシーの人もいて、それはそれで尊敬します。でも、一緒に過ごすのは、同じ語学学校のクラスメイトと過ごすことが多くなるでしょう。もちろん英語を話す機会は多いでしょうし、他国の文化を知ったりするのには良いですが、英語の勉強・カナダの文化や暮らしを学ぶのには現地大学生と仲良くするのが良いと私は思います。そして、英語力のない私には日本語を勉強している現地大学生は、私にとってはベストだったと考えます。そうでないとストレスに押しつぶされそうでした。

これは、過去の自分の意志の弱さを正当化したい、というところもあるかもしれません。

でも、私は当時日本人と日本語を勉強しているカナダ人と過ごした日々は、本当に良かったと思っています。ストレスなく、自然に外国で暮らすこと、そして英語を習得できました。

台湾系カナダ人との恋愛

私は、恋愛依存体質です。気が強くて自信家に見えながらも、本当は自分に自信がないため、心を許した彼氏に依存します。彼氏のことを忘れられないから決めたカナダ留学。私はここで新たな恋愛をしました。(懲りない笑)

台湾から移住したカナダ人と付き合いました。彼も私と同じように自分に自信がないタイプで、完全なる共依存。与えた分の愛情が返ってくる環境は、居心地が良かったように思います。そのせいで、他の友人とは疎遠になってしまい、時間がもったいなかったと後悔する気持ちも大きいです。(毎回恋愛では同じ失敗をする暴走っぷりは自分でも驚きです)

彼はかなり日本語が上手だったので、普段の会話は日本語が多かったです。でも、私の勉強のために英語をしゃべってもらうことで、勉強させてもらっていました。彼のおかげで、遠くへ旅行をしたり、図書館の登録や大学の勉強を見させてもらったり、自分一人だとできなかったと思うことを経験できたと思います。結局彼とは帰国後3か月で別れてしまいましたが、良い思い出の一つです。

また、彼との恋愛のおかげで、私の気持ちは完全復帰。

よく「女性の恋愛は上書き保存」と言いますが、私はまさに上書き保存タイプでした。半年以上引きずって「もう恋愛の仕方を忘れた」、「彼以外を好きになれない」と落ち込み続けたわりに、新しい彼氏ができたら全く問題なくなっていました。

この成功体験のせいで、私はもう一度留学することになるのですが、それはまた別のお話で。笑

半年の留学で得られたもの

半年の留学で得られたものは、数え切れません。自分の当たり前が、当たり前ではないこと、それは私を自由にしてくれました。そして、積極的に動こう、前に進もう、という行動力の高い自分に生まれ変わることができました。

まず、カナダでは自分の意思表示をしないと、誰も慮ってくれません。私は、おとなしく話しかけられ待ちするタイプでしたが、自己主張がないと存在しないのと同じであることを痛感し、見知らぬ人にも必要があれば、当然のように自ら話しかけるようになりました。話しかけないと友達もできない。これは日本でも陽キャと呼ばれるコミュニケーション能力の高い人は、息をするのと同じくらい簡単にできるのでしょう。でも、私にはできなかったので、一歩成長です。

また、カナダではみんなが自分勝手。これは協調性がないという意味ですが、だからこそみんな自分の人生を生きていて、楽しそうでした。そして、そんなみんなが私は大好きで、憧れていました。

そして、「みんな」を気にして「自分」を消すことを求められません。みんな違うのが当たり前、それを受け入れられる文化は、否定されるのが怖かった私を前向きにしました。これはカナダ人や他の外国人だけではなく、留学する日本人の価値観も同様だったと感じます。だから、外国人はこう、日本人はこう、ではなく、日本人も外国人も、人によっては寛容なんだということを知ることができたのです。

上記は、頭で考えれば当たり前のこと。でも、コミュニケーション能力が低い私にとっては、体感することのできない感覚だったのです。

さらに、知らない土地で1人で生きても、こんなにちゃんと暮らせるんだ、ということは自分への自信につながります。自分で選んだ国、選んだ大学、選んだ土地で、全てを自分で作り上げた半年間。嫌なこともつらいことも、理解できないことが起きることも山ほどありましたが、全てを乗り越え、充実させることができたのは、生きる自信につながりました。

ツラいこと、苦しいことが多ければ多いほど、それを乗り越えたことが自信につながります。乗り越えられない苦痛に出くわしてしまって、心の体調を崩さないようにしないといけませんが、そうでない限り、「変化に挑むことは大切」だと考えるようになりました。

また、同時にツラいことからは逃げる、ということも、失恋→留学、から学び、この逃げ癖はその後の私の人生に大きな良い影響をもたらします。

当然、英語力も身に着けました。日本人や日本語のできるカナダ人彼氏との時間が多かったため、英語の伸びはいまいちだったかもしれません。TOEICで言うと、450から700になる程度の伸びでした。しかし、当時20歳の私の吸収力はそこそこ高く、特にリスニング力が自然と伸びる、英語の感覚というものを身に着けられることができたのは、留学したからこそでした。英語を話すことへのハードルが下がったことも、この先の私の人生の大きなプラスになっています。英語がペラペラではなくても、英語に抵抗がない、これは非常に強みになるのです。

色々書きましたが、留学せずに日本にいて、フラれた元カレを引きずって泣き喚いて、暗い半年を過ごすよりは、何十倍も素敵な半年を送れたので、行動するって大切ですね。

まとめ

変化するって怖いですよね。私は窮地に立たされないと、変化に飛び込むことはできませんでした。でも、ありがたいことに失恋という私的には窮地(笑)に立たされることで、留学という大きなチャレンジをすることができました。

また、留学のエピソードを就職活動で語ることで私は内定を勝ち取ることができました。留学していなければ、面接で前向きに自信をもって話すことができなかったでしょう。また、当時の経験を語れなかったとしたら、私は就活で何を話したのか想像がつきません。(留学or恋愛の大学生活だったため苦笑)

ちなみに、「留学して英語ができるようになった話」ではないですよ。英語ができるようになった話をするのであれば、相当なレベル(TOEIC300点から半年で990点になった等)まで特別な頑張りをアピールする必要があるでしょう。人事視点で言うと、面接ではそこに至った経緯や何を考えて、どう行動したかが大切です。当然、失恋が原因というエピソードは無しで、自分の考えたこと、経験したことを話していました。

窮地に立っている人もたっていない人も、自分を変えるチャンスとして、ぜひ留学にチャレンジしてみてください。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

シェアしていただけると嬉しいです!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!