転職を後悔しない会社のやめどきとは?20代で3社目の大手人事が語る

私は20代で2回の転職経験をしました。ありがたいことに、3社目は誰もが知る大手企業に就職できました。毎回目的の果たせる例えば転職をしており、転職者としては上手くいった部類です。

だからといって、私は全員に転職がオススメだとは思いません。

転職はお金が大きく動く商売なので、ネットでは転職したほうが良いような記事が多いですが、人生を大きく左右するものなので慎重に考えるべきです。

私は、転職の成功は、いい会社に入ることではなく、入社してから納得して働ける、後悔しないことだと考えています。

私自身の経験と人事(中途採用担当者)としての経験を合わせて、本当の意味での転職成功・後悔のしない転職についてお話しします。

転職したい理由は何なのか?

私は、中途採用担当者であり、転職経験者であり、企業の人事であるので退職者を見る立場でもあります。転職エージェントになろうと思って内定をもらったこともあります。

これまでの経験から、以下の順番でご紹介していきます。

  • 様々な視点から見る転職理由
  • どういう理由で転職すると後悔するのか
  • 後悔しないためにはどうしたらいいのか

企業側から見る

退職者は、人事担当や上司に対して、「キャリア希望を叶えたいので転職する」と言います。

これは、本音ではない場合が多いです。

なぜなら、今の会社が転職先のお客様になる可能性があるためです。また、辞める会社に、上司が苦手だったなどと、本音を伝えるメリットがひとつもありません。退職者は、何も言わずに適当なことを言って去るのです。

ただ、オフレコで!と個人的にお願いすると、転職理由のほとんどは、上司部下の関係や同僚の問題です。突き詰めれば、退職理由のほとんどは人間関係なのでした。

ただ、時々退職者が戻ってきたいと相談を受けることがあります。この相談は、まさに本音でしょう。給料が高いところに転職したけど、ここまでプライベートを犠牲にするとは思わなかったなどでした。

中途採用担当者側から見る

応募者が面接官に語る転職理由は「キャリア希望を叶えたいので転職する」と言います。

先ほどと同じですね。これも本音ではない場合が多いです。なぜなら、応募者は面接に合格したいため、本音を語ることはありません。

転職するために本音を語る必要はありませんし、語らないほうが無難です。ただ、あまりに嘘っぽい理由にすると、会話の中で整合性が取れなくなってしまいます。

採用担当者も本音を話してくれるとは思ってはいませんが、嘘っぽい話は面接でのほかの内容まで嘘に聞こえてしまいます。整合性の取れる、それらしい転職理由を考えて語りましょう。

なお、内定辞退理由からは本音が透けて見えます。年収が他社のほうが高いから、他社は転勤がないから、など面接で語られることのない理由です。

転職者側から見る

転職者として企業に語る理由は、内定が欲しいので適当な理由です。

とにかく転職するときは、まずは内定が欲しいのが本音です。転職理由は、後付けの聞こえのいいものを話すだけ。

最も無難なのはキャリアを叶えたいですが、こだわりすぎると叶えられない場合に再転職リスクあり、とみられます。

私はリアルな愚痴も、ちらっと見せることでリアリティ出すようにしていました。それが面接を受けている会社には該当しない内容であればベストです。きれいすぎる転職理由は、嘘っぽいとされるリスクもありますから、人間らしい側面も少し見せるのが、個人的にはオススメです。

転職を後悔する状況とは?

これまでご紹介の通り、転職理由には本音と建前があります。

面接官や現職の上司や人事に語られるほとんどは本音ではありません。

ここからは、どんな気持ちであれば後悔するのか・しないのかご紹介しますが、自分の本音を探すことも忘れないでください。いろんな建前と戦ううちに、自分の本音が見えなくなってしまいます。

この記事の後半では、転職するときの自分の本音探しにおすすめの方法もご紹介しています。後悔しない転職のために、ぜひ読んでみてください。

人間関係が良好なら転職すると後悔するかも

上司や部下、同僚はどの会社に行っても選べません。

転職するとき、どれほどキャリアややりたいことを重視したとしても、性格の合わない人とそのやりたい仕事をやって、楽しいのか考えてください。

褒めたり認めてもくれない上司と仕事をして、やりがいを感じられるのか考えてみてください。

本音で、いい職場なんだけど、自分のキャリアが叶えられないと心から思う場合。心から思う場合ですよ。

それは転職を後悔する可能性があると思ったほうがいいです。

例えば、「前の会社はこんなに良かったのに」と話す転職経験者はたくさんいます。私も転職経験者なので、仲間として本音を聞かせてもらうのですが、だったら辞めなきゃよかったのにね、と言いたくなる人も多いのです。

仕事が評価されていると転職すると後悔するかも

転職するときは内定を取るのに必死で入社後のことが見えにくいかもしれません。慣れない会社のルール、システム、常識に囲まれて意味が分からないのに、即戦力でアウトプットを出さないといけない。

相当なスーパーマンでないと、アウトプットはすぐには出ません。

特に新卒の会社で作られた自分の当たり前を壊すのは大変で、新しい会社と今の会社のポリシーが違えば、なおさら戸惑います。たとえ、それが自分が望んだプラスの変化だったとしても。

例えば、日本の古い企業から、スピーディな外資やベンチャーへの転職。チャレンジングできらきらして見えるでしょう。プラスの変化でも大きければ大きいほど、環境適応の壁が大きく、苦労するものです。

今の会社では自分の仕事ぶりが認められていると思うけど、レベルアップのために転職したいと心から思う場合

今の会社と違う環境では、うまく活躍できない可能性も大いにあるのです。思いもよらない出来事に対応しきれず、そのまま心の体調を崩してしまうことも。

社内で自分の評価が高い場合は、転職すると後悔するかもしれません。

仕事にやりがいがあるなら後悔するかも

やりがいのある仕事をやっているのに転職しようとする人は多くはありません。

でも、転職希望者と面接をする中で、時々現れるのです。

前前職はやりがいのある仕事だったのですが、~だったので、転職しました。でも、やっぱりやりがいのない今の仕事に耐えれなくて、今転職活動しています。という方が意外と多い。

このパターンの前々職の退職理由は、家庭の事情です。

家庭の事情でプライベートの時間が必要になった、引っ越しが必要になった、というケース。本当は、裏の理由があるとは思います。これまでに出した、人間関係がうまくいかない、やりがいはあったけど評価はされていなかったなどです。

やりがいのある仕事に出会えて、それを失ったとしたら、やはり人は求めてしまうもの。

やりがいがあるけど・・・と思っている人は、転職して後悔するかもしれません。

なんとなくで転職すると後悔するかも

これと言って嫌なわけではないけど、なんか将来が不安。みんな転職しているし、自分はしなくていいのな。今の会社にとどまって、本当にいいのかな。

こんな気持ちで転職ができる人がいます。一流企業に勤める30歳前後の若手です。

私は有名企業と、そうではない企業の所属経験があるのでよくわかります。企業のネームバリューは転職のしやすさに大きく左右します。書類選考の通過率が違います。新卒なら大学名がそれに該当するでしょう。

もちろん企業の名前だけ、大学の名前だけで採用しているわけではありません。ただ、スクリーニングの一種なのです。有名企業や一流大学に、良い人財がいる可能性が高いというだけです。

一流企業に勤めている人は、転職もしやすいのです。ちょっとした気持ちで転職サイトに登録して、面接して、内定もらったので、転職してしまうケースがあります。

なんとなくで転職した場合、前述の通り転職ははいってからが大変なので、想像と違う環境を突き付けられて、転職したことを後悔することが少なくありません。

後悔しない転職は、会社を嫌いになったとき

後悔しない転職は、会社を嫌いなったときに成立します。

転職したい理由はいろいろあるでしょう。上司が嫌い、部下が苦手、同僚とうまくいかない、仕事が雑務ばかり、やりがいがない、希望の仕事をやらせてくれない、などでしょうか。

転職する理由は一つではありません。嫌なことがたくさん積み重なった結果が、退職理由になるのです。

転職先で活躍することは大変なことです。あなたにとってすべて完璧な会社というのも存在はしないでしょう。どこで働いても、必ず嫌なところは出てきます。

あいまいな気持ちで転職すると、もう戻れない前職に未練が残ります。人事をしていて、転職したけどもう一度戻りたいという相談を受けることもあるのです。でも簡単に戻ることはできません。

今の会社にとどまっている自分は井の中の蛙ではないかと、転職する若手が増えています。でも他の会社と比較して自社がどれほど恵まれているのかに気づけない人も多いです。

だからこそ、本当に離れていいのか、会社を嫌いになれるのか、辞めて後悔しないのかしっかり自分の心を確認しましょう。

転職エージェントにとって転職希望者は売り物

転職したい!と思ったら、転職エージェントに登録します。

辞め時を考える前に、まずは登録して、自分の本音を確認するために、うまくエージェントを使うことが私のオススメの手法です。

皆さんは、エージェントって何なのかを理解して、登録していますか?

転職希望者が登録するほとんどの企業は、登録者を紹介してマージン(紹介手数料)を企業から取る商売をしています。登録者は売り物だから、登録料もシステム利用料もキャリアアドバイザーへの相談もすべて無料なのです。エージェントは、登録者を企業に入社させることに成功すれば、数百万円が手に入る、そういう仕組みになっています。

ここで理解していただきたいのは、エージェントは皆さんを売り物だと思ってみているというところです。これは人を売るなんてひどいとか、そういう話ではありません。

エージェントは皆さんにどこかに入社してほしい、と思うと同時に、変な人を入社させると、その企業にはもう紹介させてもらえないというリスクが発生するということなのです。

皆さんも、不良品を売っているお店から物を買ってしまったら、次はもうこのお店を使うのやめようと思いますよね。それと同じです。

そのため、無料相談などと言ってアドバイザーと会話するときは、自分は如何にまともな人間であり、商品として価値があるのかをアピールすべきなのです。

キャリアアドバイザーが話しやすいからと言って、人生相談先のように、何でもかんでも話してはいけません。面接ではないので、緊張する必要はありませんが、自分が良い商品であることをアピールしなくてはならないという意識を持ちましょう。

転職を成功させるエージェントの使い方

私は複数のエージェントに登録していました。それぞれ担当の人がつくので、面談という形で転職希望理由やどんな会社がいいのかなど話をしますが、以下のような使い分けがオススメです。

  • 本音言う用:言いたいことをまとめるために、本音で語ってみる。商品価値なし人財になるのでここで転職はできない前提
  • 相談する用:一定の節度をもって相談してみる。情報収集のためだけに使うことも。
  • 本気用:面接くらいの気持ちで対応する

どのエージェントでも応募は行いますが、結果として、2回とも本気用のエージェントで転職することになりました。エージェントの使い方は大切なのです。

本音をエージェントに話してみて何を感じるか

私は本音言う用のエージェントを、自分の気持ちの整理に使っていました。彼らは質問するのもプロなので上手です。家族や友人と違って人生アドバイスなどもしないので、自分の心を整理するのにぴったりです。

登録者が多く、がっついてこない大手エージェントがオススメです。

エージェントによっては、転職したほうがいいという気持ちに、コントロールされてしまうリスクがあるからです。ちなみに、企業の窓口と転職希望者の窓口は別の担当者にしているエージェントと、企業担当が転職希望者と面談するエージェントの二種類あるので、その種類によっても対応が異なるかもしれません。

本当は、私が資格を持つキャリアコンサルタントという職業の人に、売り物としてではなく、相談者として、お金を払って相談するのが理想。でも、無料で話を聞いてくれるところがあるのに、お金を払うのは抵抗がありました。

会社の愚痴も将来の悩みも全部ひっくるめて、なんでも話してみてください。

本音を話したうえで、得られるアドバイザーの見解も参考になります。良いエージェントだったら、その先の人生のことも考えて、今はまだ早いなどと、適切なアドバイスをくれることもあるでしょう。

本音を話しつくして、自分がどう思っていたのか、振り返ってみてください。

本当に嫌なことは何だったか。本当に転職したいのか。

私は2回、このエージェント本音話す作戦で、転職するのをやめた経験もあります。どれだけ転職したくなるんだよ、と思うかもしれませんが、良いメンタルコントロールになります。

本当に後悔しないか確認してから転職しよう

エージェントと会話をして、転職しようと思えるのであれば転職すればいいと思います。

でも、迷いが出るようであれば、転職をやめてもいいでしょう。または、転職活動はしながら自分の心も整理し、内定が出てから考え直しても良いかもしれません。

採用担当としては勘弁してほしいですが、実際に改めて考えて今の会社に残ることに決める方もいらっしゃります。一度辞めたら、ほぼ戻れないので、自分の人生をよく考えてください。

判断を間違って転職前に退職しない限り、ゆっくり転職活動はできます

急ぎすぎず、落ち着いて人生を決めていきましょう!最後まで読んでくださりありがとうございました!

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