DINKS(選択子なし)が語る、子なし共働き夫婦の6つのリスクとデメリット

DINKS(ディンクス)はDouble Income No Kidsの頭文字をとった言葉で、選択子なしとも言われる、子なし共働き夫婦で生きることを選択したカップルのことを指します。

私は20代前半で結婚し、30代DINKSです。7年以上の子なし人生の経験から、DINKSとしての悩み、デメリットやリスクをまとめました。

子なしを理由に、仲の良い友達が減る

学生時代から仲良くしてきた友人も、人生を重ねるにつれて人生のフェーズがずれ始めます。子どもの有無はお互いに気を遣うテーマです。DINKSを選択する人は少なく、独身の友人も「将来は子どもが欲しい」ことが大前提。

子どもがいない人生を考える友人は、感覚的には50人に1人くらい。少ないです。

結果として、学生時代からの友人の中にいると、浮いてしまいます。そして、最終的には取り残される恐怖との戦いが待っています。

子持ちの友達と話題が合わなくなる

子どもが生まれると人生の中心が自分から子どもに切り替わります。それはインスタなどのSNSを見ても明らかです。子どもの写真が自分であると言わんばかりに、人生が子どもで溢れかえります。

会話の内容や興味関心も変わってしまいます。ついこの間まで、恋愛や仕事の話で盛り上がっていたはずが、もはやそんな話題はお呼びではないのです。でも、私が子なしであることはわかっている友人たちですから、子どもの話をガツガツしてきたりはしません。でも、「気を遣われているなぁ、本当は私の仕事の話なんてつまらないだろう」と思って、何を話したらいいのかもわからなくなり、どうしても距離ができてしまいます。

マウントの取り合いになるリスクがつきもの

お互いの持っていないものを持つ、子持ちとDINKSは、お互いに気の使いあいです。

子持ちの友人は私に対して、「子育てが大変、子どもがかわいい、などと話をすれば、子持ち自慢のように聞こえてしまったらどうしよう」と思います。

逆に、私は、「友人は子持ちで大変なので、夫と旅行に行きまくってラブラブで毎日楽しいという話が、自慢のように聞こえてしまったらどうしよう」と思います。

些細な会話が、とらえ方によってはマウントになる状態。自慢だと思われないように、楽しい話ではなく、愚痴を中心とした、話していても面白くもない内容ばかりになりがちで寂しいです。

友達が子どもを産むと悲しい気持ちに自己嫌悪

妊娠匂わせ投稿に、もやっとする日々。子どもができるのはおめでたいこと、なのですが、心から嬉しい気持ちにはなりきれません。もやっとした自分に、うんざりする。「自分が持てない子どもを持てる友人を妬ましいのか?」と思ったこともありますが、最近は違う感情だと気づきました。

寂しいのです。そして、同じ気持ちや話を分かち合える人が次々にいなくなる恐怖。

子持ちは仕事より子どもの話、お金を使う対象も自分ではなく子ども、お金を使える量も2人ではなく3人、4人増えるほど減る単価。子持ちと比べると、DINKSは自己中に見えるでしょう。だって我々DINKSは、自分たちのために生きているのだから。子どものために生きている子持ちとは違うのです。

子持ちとDINKSは住む世界が違います。同じ学校で、同じ会社で、同じ悩みを分かち合ってきた友人たちを失う瞬間だからこそ、こんなにも嫌な気持ちになるのだと思っています

心から何でも話ができる友達を失うのは、大きなデメリットといえます。

DINKS同士では友達になりにくい

親になれば、子どもを育てるという目的のために共に戦うママ友・パパ友ができます。子育てという共通の苦労や楽しみを共有し、大いに盛り上がれるのではないでしょうか。

DINKSになって友達を増やすのは意外と難しいのです。

DINKSには、子なしの理由を聞きにくい

子なしの理由はいろいろあります。

  • 病気で産めない
  • 不妊治療中
  • 子どもが嫌い
  • 不仲で離婚協議中
  • 配偶者が子どもが欲しくない

DINKS同士は、同じ悩みが共有できるはず!と思っていました。でも、実際に子なしの人に出会っても、子なしの理由のパターンが多く、デリケートな内容で初対面ではリスクが高すぎです。

理由によって、考え方が相容れないため、意外と近くて遠い関係になってしまいます

子どもの好き嫌いは特に難しい

DINKSには、子どもが嫌いだったり、子どもの存在価値を感じない人がいます。一方で、子なしとして、子どもは好きだけど事情があって産めなかった・産まなかった人もいます。

子どもの好き嫌いは、価値観が大きく変わるところ。相容れない感情で、正反対です。

同じ気持ちのDINKS仲間に出会えたら、大いに盛り上がれるはず!でも、相手は正反対の価値観な可能性もあり、聞きにくいのが実情。

また、自分の趣味・やりたいことがあってDINKSの人もいます。その場合は、その趣味の友達と人生を楽しく過ごしているのだろうな、と距離を置いてしまいがちです。

DINKS仲間が子ども産んだらツラい

更に残念なことに、DINKS仲間を作ったとしても、真のDINKS(選択子なし)になる人は少ないかも。

私の知り合いに「DINKS希望」で結婚のに、気づいたら自分の子どもをインスタにUPしている人がいました。そんな人が、1人ではなく複数発生するのです。

「子どもが生まれておめでとう」と思う気持ちもありますが、正直、「仲間だと思っていたのに」とがっかりする気持ちがあります。そして、知人の幸せを心から100%喜びきれない自分に、心から嫌気がさすのです。

DINKS仲間は持ちにくいし、持ってもツラい気持ちになるリスクもある。難しい関係性になりやすいのです。

家計管理で貯金がしにくい子なし夫婦も多い

DINKSのメリットでもあるお金。共働きなので、しっかり管理すれば貯めるのも簡単です。一方で貯まりやすいからこそ、管理が雑になりがちな家庭も多いです。自分で稼いだお金は自分で使いたいという気持ちもあるでしょう。

DINKSの場合、子どもができたことを機に、家計を見直すこともありません。相手が貯めていると過信して、老後に貯金不足となるリスクがあります。

最初にうまく仕組みづくりができないと、お金は離婚の原因になるので要注意実際にお金の管理で意見が合わずに離婚した夫婦はたくさんいます。

選択子なしの人生は、配偶者とすぐに離婚できるのがメリットでも、デメリットでもあります。子どもという「強制的につなぎとめるもの」がないことで、自由な人生の選択ができます。だからこそ、お金の管理はきっちりしておかなくてはなりません。

子どもがいないから「できて当たり前」とされる

DINKSのデメリットは、仕事でもあります。

世間では働きながら子育てをする男女に焦点を当てて、子育てとの両立を積極的に支援する動き。その裏で、DINKSは「子育てしてないから、できるよね?」と、言わんばかりに働くことになるのです。働くことに不満があるわけではないですし、子育てとの両立が大変そうだなとは心から思います。

ただ一方で、何の話題になっても「DINKSは楽でいいよね~」の対象になるのです。直接言われたことはないですが、そう感じることがあります。

DINKSは、何をやっても「子育てしてないから、やれて当然」。資格を取っても、業績を上げても、貯金を寄付したとしても。全部子育てしてないから「できて当然」です。

もちろん、自分個人の努力として評価されていると感じることもあります。でも、ふとした時に、自分でも思うのです。「ああ、子どもがいないからできて当然だよな」って。

頑張るのはお休みして専業主婦になってみたいな、と思ったあなたへ。専業主婦時代の苦悩をこちらで語っていますので、良かったら見てみてください。

子なしハラスメントにおびえる

世間一般では、子どもは欲しくて当たり前。結婚したなら、子どもがいて当たり前です。結婚したら、子どもが楽しみだね!と、悪気なく言ってくる人は、年齢問わずたくさんいます。特に私が20代前半で結婚したのもあって、結婚報告をすると5人に1人くらいから「子ども楽しみだね」と言われました。

子ども楽しみだね!」の返答が、「子どもはいらないんです。または、子どもは産めないんです」だったら、あなたはどうしますか?

聞いた方も、聞かれた方も気まずくなる魔法の返答。誰もそんな回答を想像もしてないんです。

「お子さんは?」と言われるのが嫌で、初対面の自己紹介時や雑談の早い段階で、子どもが産めないアピールをするようになりました。「子どもが苦手」とか「子どもは欲しくない」と遠回しに言うと、「子ども可愛いよ」、「産めば変わるよ」などと言われて不愉快なので、空気が濁る覚悟で、「子どもが産めない」というのです。

子なしの話題は、何を言っても気まずくなります。気まずい瞬間を少しでも短くするために、子ども嫌いアピールは個人的にはおすすめです。

精神的苦痛を味わう機会が、社会的に多いのがDINKSのデメリットだと思います。

子どもは?もNGワードにしてほしい。

最近、LGBTへの理解が急速に進み、『彼氏は?』などの話がNGということが常識になりつつあります。

男女で結婚をしたなら、それが20代であれば、子どもは?と聞いていいんでしょうか?

これを聞くのも非常識、という世の中に早くなってほしいなと思います。いろいろダメな話題ばかりで、何話せばいいのかという声も聞こえてきそうです。でも、言われて傷つくマイノリティがいることを忘れないでほしいです。

DINKSとして生きる人生の先輩が少ない

人生の先輩として最も頼りになるのは自分の両親であることが多いですが、子なしの人生については適用外。親も自分という子どもがいるからです。

将来が不透明なのは誰もが同じ。でも、よりリスクが高く、不透明に感じるのはDINKSのデメリットです。

DINKSの老後は幸せなのか

DINKSと生きるにあたって、特に人生の後半部分でどんな悩みや苦労が待ち受けているのか。そして、その人生の最後は幸せなのか、想像しかできないのが最大の悩みです。

老化については、子なし共働きでしっかり貯めたお金で解決ができます。高級老人ホームの入居料は、異様な金額で衝撃を受けました。でも、お金が貯められたなら、良い暮らしができそうです。

怖いのは相手に先立たれたときの孤独でしょうか。子どもや孫がいないことは、世間で言われるほどに寂しくかわいそうなことなんでしょうか。子どもが可愛いと思えない私にも、それが寂しいと思う日が来るのでしょうか。

この疑問に答えてくれる情報が少ないのが、DINKSのデメリットです。

いつか、こんな人生を話し合えるDINKS仲間に出会いたいと思い、このサイトを作っています。この答えは今後考えていきたいです。

ふと自分の人生が正しいのかと悩むときがある

繰り返しになりますが、世間の当たり前・人生の完成形は子どもがいる夫婦です。2人目不妊というワードがあるくらいなので、真の完成形は男女1人ずつの2人以上の子どもがいる家族。

DINKSという子なしで共働きの夫婦だけで暮らすという人生は、当たり前の人生ではないからこそ、自分で選んだのだと納得しつつも、本当にこれでいいんだろうかと思う瞬間があります。

本当に幸せになれるんだろうかと不安になることがあります。

それでも今は幸せ

少なくとも大好きな夫との二人暮らしは、とても楽しく幸せで、毎日充実しています。

男女の恋愛なので大好きなとき、そこそこなとき、という波はもちろんありますが、それも含めて変化に富んだ楽しい毎日です。マンネリ化するようなつまらない毎日は送っていません。

子どもがいる当たり前の人生では味わえない楽しみが必ずあると信じて、私はDINKSとして楽しく暮らしていきたいと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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