働いている人のなかで、「専業主婦って楽そうでいいな」と思ったことがある人はいませんか?もちろん、子育てなどがあれば別かもしれませんが、今の時代は、結婚してすぐに専業主婦になることは少ないはず。
私はそんな現代のレアケースとして、2年間の社会人生活を経て、結婚して専業主婦になりました。でも、1年しか専業主婦に耐えられず、また総合職として大企業のメーカーに勤め、今では、ほぼ毎日9時から22時まで働いています。(法律違反にはならないように制限しながら、働いています。)
今回は、キャリア・経験として専業主婦になってよかったと思っていることを紹介します。ちなみに、すべて「子なし専業主婦」である前提でのお話です。
・専業主婦は、良い経験にはなる!
・得られることは、家事力・キャリア・家計管理力!
・キャリアに迷いがなくなることもメリット
家事の基礎スキルが高まる
一番想像がつくものからご紹介すると、家事スキルの向上は、今でも役に立っていて、専業主婦になってよかったことの一つです。特に料理技術と家事知識は、時間のない今の自分の生活を、豊かにしてくれています。
専業主婦時代の「有り余る時間」の投資先の一つは、専業主婦の主業務である家事でした。当時は「家事のプロにならねば」という思いでやっていて、本やネットで時間をかけて調べ、試し、実践した結果、料理や掃除の豆知識的なレベルが高まりました。
料理・掃除スキルが上がる
毎日のことなので、最初は時間がかかっていた作業も、高速かつ効率的にできるようになります。例えば、人参の皮むきや玉ねぎのみじん切りが、めちゃくちゃ速くできるようになりました。笑 スピードだけではなく、いろんなレシピを試せたので調味料(スパイス等)にも詳しいです。
掃除についても同様にスキルが高まります。家事の基礎を学べる本を読みながら、重曹やクエン酸などの基本を学び、どうしたら汚れが落ちるのか、汚れが付かないかを実験することができました。
専業主婦時代は、時間が有り余っていたため、「家事が早くできること」はもはやデメリットでした。もちろん、主婦として成長を感じる瞬間でもあったのですが、「家事が早くできること」のありがたみは、働き始めてからの方が感じることが多くなりました。
良い手入れで家具や家電が長持ち
家具や家電、調理器具を長く使うことができるようになったのも、掃除をちゃんと学んだ成果の一つです。家電には適切な洗い方や掃除の仕方があります。例えば、空気清浄機は開けて掃除機で必要な個所のほこりを取る、加湿器はクエン酸で洗浄する、炊飯器は上の蓋のなかも取り出して洗うなどです。
説明書を読めば書いているので、「当たり前でしょ?」という人もいるかもしれませんが、やっていない人も多いそうです。適切な掃除ができないと、長持ちしにくくなります。私は結婚当初に比較的高額な家具、調理器具、家電を揃えたので、大切に長く、モノによっては一生使いたいと思っています。共働きだからとモノを粗雑に扱わず、一つ一つ大切に使うことは、気持ちのいい生活につながっています。
お金を貯める・管理する基礎が整った
共働きの家庭の多くが意外とうまくできないのが、お金の管理です。お金が原因で離婚する夫婦もいるので、適切な管理は重要です。でも、時間がなくて、できないというのが現実のよう。
私は専業主婦時代に時間があったので、家計の基礎固めができました。
やったことを以下に書き出しましたが、本当に当たり前のことばかりですね。でも、この「当たり前」をそれぞれじっくり調べ、検討する余裕があったのは、間違いなく良い経験でした。例えば、クレジットカードや証券口座の会社選びをしたり、保険は「必要がない」ということを判断するための知識も必要です。怪しい投資たちも調べて、何がダメなのか、こういう騙し方があるんだというのも学び、将来的に騙されないような知識も身に着けられました。(と、言う人が一番騙されるという話ですが。笑)
「お金」については、「知らないと損する、騙される」というリスクが、将来にわたって存在します。だからこそ、若いうちにしっかり学んでおくことは大切です。学ぼうとして、変なセミナーに参加して、騙されないように気を付けてください。タダほど怖いものはないです。
【私が専業主婦時代にやった家計の整理】
- 複数の銀行口座開設(個人用・家計用)
- 証券口座の開設やNISAの準備
- 不要なクレジットカード・サブスクの解約
- フリーメールアドレスの整理と紐づけ
- 必要なクレジットカードの検討と契約
- 保険の検討
- 投資先の検討(投資信託、ETF、株式など)
- 国や地方自治体の助成金制度調べ(いつ何がもらえるか知らないと損)
- ポイントサイトの活用
上記のなかで役立っていないのは、ポイントサイトくらいです。ポイントサイトとは、何か物を買うときにそのサイトを経由して購入するとポイントがついてお得だったり、クリックしたり広告を見たり、指定の行動をするとポイントがもらえるといった関係のモノ。これは、意味がないというより、今の私の生活には不要になってしまったもの(時間効率的にコスパが悪い)です。専業主婦時代にはそれを貯めることで、小さな達成感を得られていたのでありがたいものでした。
キャリアに悔いがなくなった
わずかながらの社会人経験を活かして、業務委託でスタートアップで働いてみたり、起業する友人を手伝ったりしました。社会人になってみてから、こういうキャリアも歩んでみたかったというものがある場合、それをやってみれるのも専業主婦の魅力の一つかもしれません。
社会人になったとき、ああやり損ねた、と思うことを経験できたので、その先のキャリアに迷いがなくなりました。
もし、この経験がなければ、今頃、起業してみたいとか、もっと新しい会社で働いてみたいと思っていたかもしれません。今、迷いなく自分のキャリアを歩めている気がするのは、やってみたいことや気になっていることを試せた経験があるからです。こんな自由に生きさせてくれた夫に感謝しなくてはいけないですが。
キャリアとして専業主婦を語れる
今の時代、共働きが当たり前で専業主婦は激減しました。でも、親が専業主婦だった家庭は多く、女性のキャリアの一つの選択肢に、「専業主婦」がないわけでもないのが実情ではないでしょうか。(専業主夫は少なめ?)
私が今働く会社や前職の友人でも、結婚を機に、または結婚との両立を難しく感じて「専業主婦になろうか」と悩む人は意外と多いです。金銭面の余裕がないと専業主婦にはなれないので、ありがたい悩みと言われるかもしれませんが、当人にとっては深刻な話です。別記事でも書いたように選択肢が多すぎるというのも、人を不幸にします。
専業主婦になるというのは、キャリアの終了を意味するケースが多いと思います。子育てや介護などの事情があれば別ですが、履歴書でも空白の期間ができてしまい、見た目上は少なくとも就職しやすいようにはならないでしょう。私自身、専業主婦になる決断をしたときは、これまでのレールから降りる決断をしたつもりでした。
専業主婦になろうかと迷う人は多いものの、実際になってみた、そしてひょっこり社会に戻ってきた、という人は少ないので、意外と貴重な経験をした存在となります。
これまで紹介したようなことも踏まえると、キャリアとして専業主婦を経験したことは人生を豊かにする一つの糧になったと思っています。また、専業主婦経験があるため、相談相手として使ってもらえるのはありがたいことですし、キャリアコンサルタントとしての仕事としても生かせそうです。今では自分の専業主婦としての経験にとても満足しています。
専業主婦をおすすめはしないが良い経験
振り返ってみると、専業主婦は良い経験でした。これまで記載したとおり、専業主婦経験を活かせる機会はあり、たった1年で多くのモノを得た感さえもあります。
ただ、これは自分のキャリアを振り返っての、結果論でしかありません。私は、ラッキーだっただけです。この人生に再現性は全くないと思っています。また、結果はラッキーで思い通りに進んだように見えますが、その過程では将来への強い不安を抱え続けており、ハッピーで順調だったとは思いません。
その瞬間、その瞬間を苦しみながらも全力で生きたからこそ、今があるのだとは思いますが、結構苦しかったです。そのため、知り合いに専業主婦になろうか迷っていると言われたときは、必ずやめておいた方がいいと伝えています。
「人生を変えるきっかけが欲しい」、そんなときに思い切った選択肢の一つとしてはあってもいいかもしれません。
専業主婦になってよかったことが知りたい、専業主婦になろうか迷っている人のお役に立てればうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!