DINKSとは、子どもを望まず共働きで一生を過ごしたい人たちのことです。結婚歴が浅いので子どもが「まだ」いない人のことは差しません。
DINKSは社会的にマイノリティであり、批判も多く寂しい思いをすることも多いですが、合理的な生き方ができるということで、希望する人も増えているようです。子どもが欲しいことが「当たり前」なので、DINKS希望で子どもがいらないというと、どうして?将来後悔するよ?など、問い詰められるケースが多くなります。
そのため、普通に婚活するよりも難しいと言われており、最近はDINKS希望者専用の婚活パーティーもあります。
私はDINKS婚活パーティーへの参加経験はありませんが、子どもがいない人生を前提に夫とはお付き合いして結婚しました。子どもが産めないタイプなので、正確にはDINKSとは言えないかもしれませんが、子どものいない人生前提という点で、DINKS婚活に近いものだったと思います。子どもがいない人生を前提にというのは、否定されかねない価値観なので、伝えるのには勇気がいりました。
今回は、どんな方がDINKS希望で婚活されているのか、考えてみました。
子どもが苦手、嫌い
子どもが可愛いというのは万国共通の感覚のように取り扱われますが、そうでない人も一定数います。子どもが無条件にかわいいという感覚がわかりません。でも、心が死んでいるわけではなく、猫なら無条件にかわいいので、ペットを飼いながらパートナーと暮らしたいという考えの人もいます。
私も子どもが苦手でして、子どもと触れ合っても、どう接すればいいのか戸惑うばかり。無邪気ににこにこする姿に、心洗われる瞬間はありましたが、謎の生命体とともに過ごすのは変な感じがします。それに、可愛いからほしい!というペットのような感覚で子どもを作るものではないでしょう?
子どもが苦手でDINKS婚活をする方は、自己分析をしっかりして、自分の将来をよく考えた、誠実な方だと思います。安易に子どもを作って、ネグレクトや虐待のリスクを持つよりも、ずっと賢い選択ではないでしょうか。
可愛いと思えない問題は、子どもができるとホルモンの分泌で女性は圧倒的に、男性も少し、我が子に愛情を注げるようになっているようです。人間はホルモンの奴隷なので、ホルモンがちゃんと分泌されれば、愛せるはずです。でも、もし適切に分泌されなかったら?その量が少なかったら?
可愛いとも思えない子どもを、責任感だけで自分の時間とお金を注いで育てるのは、できなくはないと思いますが、大変そうです。子どもが好きなDINKS婚活者とは相容れないかもしれませんが、子ども苦手なDINKS婚活者同士が巡り合えれば、きっと幸せに暮らせると思います。
不幸な人生を子どもにも経験させたくない
自分の人生(特に20歳まで)が幸せ、と言えるものではなかった人が語ることのある理由です。
何の罪もない自分の子どもも、自分と同じような人生を送るリスクがある。例えばいじめや虐待。
きょうだい児と言って、病気や障害を持つ兄弟を持つ子どもだった方も、親の時間が障害を持つ子に注がれるので、孤独感があったり、親の大変さを見て子どもはいらないという考えを持つこともあります。
子どもとしてこの世に生まれること自体が、子どもにとってかわいそうだと考える。自分の子どもの気持ちを考慮したうえで、子どもを産まないという選択をする方もいるのです。
DINKS婚活ではあまりオープンにはされなさそうですが、理由をもやもや語る方の心の底には、こういった背景があるのかもしれませんね。
遺伝性の病気があるので遺伝リスクを回避したい
遺伝性の病気を持っていて、子どもの将来のために子どもを産まないという選択をする方もいます。これも自分の子どものことを思っての選択です。
私は幼少期に病気で長期間入院したことがあります。当事者の私は、痛い、嫌だ!と泣き喚いていればよかったですし、みんなから優しく構ってもらえたので、負の印象が案外ありません。まだ小さかったので、幸いにもあまり覚えてもいません。
でも、親はどうだったでしょう?大切に育ててきた我が子が、これから人生が楽しみになってくるというところで、死んでしまうかもしれない。それを目の前で徐々に弱っていく子どもを見ているとき、どんな苦しみだったでしょうか。治療や手術のたびに、これで子どもが死んでも文句は言いませんという承諾書にサインをさせられるとき、どんな気持ちだったのでしょうか。
家族の遺伝子的問題や、育て方の問題だったかもしれない、健康に産んであげられなかった、自分のせいかもしれない、と自分を責めたでしょう。私も当時の親の年齢になりつつあり、子どもを育てている友人の子どもへの愛情を見たうえで、自分の親の気持ちを思うと、苦しく申し訳ない気持ちになります。
私は自分が子どもを産める体だったとしても、産まなかったと思います。それは、そんなリスクと苦しみに耐える勇気がないからです。ごめんねと思いながら育てるなんてことは、私にはできそうにないからです。
自分の時間を大切にしたい
DINKS婚活では経済的に自立している人、という条件を、男女ともに求める人が多いそうです。DINKSの最大のメリットは自由な時間とお金。自由な生活は送りたい、そして、人生を共にするパートナーと幸せな生活も送りたいパターンです。
人生は1度きり。複数のパターンを選ぶことはできません。限られた時間とお金をどのように使うかは、人生観や価値観によります。合理的に考えたとき、子どもはいないほうが、やりたいことに時間もお金も使えます。趣味や仕事に生きがいを持ち、自分の人生やパートナーとの人生を大切にしたいと強く願い、より幸せな人生に子どもはいらないと考える方もいます。
私は明確な趣味がまだないので、生きがいのために時間を使いたい方はうらやましいです。パートナーとの時間が十分に取れるのはDINKSのメリットです。実際、誰にも邪魔されることなく二人で毎日じゃれあえ、いつまでもカップルでいられるのは幸せなことです。
合理的、現実的なタイプであることも、DINKS婚活をされている方の傾向かもしれません。
身体的に子どもが産めない
何らかの病気で子どもを産むことができない身体の人も、一定数います。子どもが欲しかったけど不妊治療の結果、授からなかったパターンや、比較的高い年齢になって結婚をしたので妊娠できる確率が低い夫婦もいるでしょう。
DINKSは、子どものいない人生を選択した夫婦のことを表します。そのため、子どもが産めなくて不妊治療をしている夫婦はDINKSに含めないことが一般的です。でも、子どもを産まず、養子もとらないと選択した夫婦はどうでしょうか。
私がこのパターンですが、私はDINKSに該当すると思っています。というか、仲間に入れてください。泣
私は病気でもともと子どもが産めないことを学生時代からわかっていました。子どもは苦手でしたが、大好きなパートナーの子どもだったらほしかったかも。でも、産めないので不妊治療を考えることもなく、DINKSとして生きることにしています。
DINKS婚活する人は将来のことをよく考えられる人
DINKS婚活をする人は、自分のことをよく理解し、自分の人生をよく考えている、将来を見据えた考え方ができる合理的で現実的な人だと言えます。
何も考えなければ、多数派である子どもを産むよね?という人生を選択するのが「当然」だったはず。一人の人間として、人生の幸せについてよく考えた結果がDINKSという選択になったはずです。
DINKSは批判されがちな価値観なので、空気を悪くしたくないと気を遣った結果、DINKSを選択する人のDINKSになった真の理由が語られることは多くないでしょう。DINKS婚活パーティーなどでも、DINKSを希望している理由を聞かれることは暗黙の了解でないようです。
DINKSを希望する理由は人によってそれぞれだと思います。ただ、単にみんなが持っているものを欲しがる人ではなく、自分の意志や考えもって行動できる素敵な方に違いないはずです。
子持ちがマジョリティの世界は変わらないとは思いますが、もっとDINKSが増えて、DINKSも暮らしやすい世の中になってほしいと思っています。
DINKS婚活者の方を心から応援したいです!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!