ミャンマー|長距離ローカル列車で9時間かけて首都ネピドーへ行く

最後のフロンティアと呼ばれる、東南アジアの途上国ミャンマーの旧首都のヤンゴンから現在の首都ネピドーまで、長距離列車で移動しました!

まだ電気が通っていないため、電車にすらなっていない列車に揺られること9時間の旅。快適とは全く言えませんが、面白い体験や発見がたくさんありましたので、旅のヒントとともにご紹介します。

ヤンゴンからネピドーまでの列車の旅の魅力

タイでも古い鉄道で移動したことがありましたが、それはバンコクからアユタヤの81kmだけでした。何よりタイはミャンマーより圧倒的に発展しています。そのため、今回のミャンマー列車の旅はかなり不安でした。(不安なことばっかり・・・笑)

ヤンゴンからネピドーまでの距離は366.7kmです。東京から名古屋が353.6kmなので、同じくらいの距離ですね。新幹線を使えば2時間もかからない距離ですが、日本の普通電車よりもノロノロ運転するミャンマーの列車での移動は、鉄道ファンでもない私にとって、かなり勇気の必要なイベント。

結果としては、一度は経験してみてよかったなぁと思う、いい思い出になりました。

写真はヤンゴンの駅です。

平和なスマホ充電所

ヤンゴンの駅で一番衝撃を受けたのが、列車の待合所に自由にスマホを充電できるスタンドがあることでした。

鉄道は高級な交通手段ではないはずなので、鉄道を利用する人は特別リッチな階級の人ではないはず。しかしながら、堂々と自分のスマホを置いて充電できてしまう場所があるって、貧しい泥棒が、置いてあるスマホを奪って逃げたりすることが、あまりないという証拠ですよね。

外国人の私が、写真の距離まで近寄っても、スマホが奪われるのではないかと心配するような人たちはおらず、本当に平和な国なんだと衝撃を受けました。悪く言えば危機管理できてないんでしょうけど、その必要がないほどに平和ならいいのではないでしょうか。

ちなみに、外国人は珍しいので、基本的に駅に着いたらじろじろは見られますが、悪意は感じません。

チケット代は500円

前日にヤンゴン駅のチケット売り場で、朝6時ヤンゴン駅発のチケットを購入しました。

チケット売り場の上方には、時刻表があり、ちゃんと英語になっているので安心して購入できます。

とはいえ、1日に数本しか出ていないので、乗り遅れには注意したいですね。ヤンゴンからネピドーまでのチケットは、約500円でした。おそらく現地通貨のミャンマーチャットのみで、カードやドルでは購入できないのでご注意ください。

現地の生活を車窓から間近で見ることが出来る

車窓からの景色で面白かったのは、ミャンマー人の生活を見ることができるところです。

観光として見れる、というわけではなく、見えてしまいます。線路の周りで生活していて、線路をまたぐのは普通、線路の間に洗濯物も干しちゃいます。もちろん町に入ってみれば貧しくて生活が苦しいこともあるんでしょうけど、車窓からの風景はとても穏やかで、平和な気持ちになりました。

また、車内販売もありました。電車のサービスとしてというよりは、駅での停車時間中に物売りが入ってきて、食べ物などを販売している形です。

外国人だからって、お金をせびる物乞いのような人が来るのではなく、普通に必要な人に販売している人たちです。現地の人たちは、車内販売で普通にバナナを一房とか購入していました。

ミャンマーの鉄道は日本も発展に協力している

ヤンゴン駅は日本のJICAが協力して、駅の整備をしているそうです。そのため、駅の設備などで日本の国旗を目にすることがあります。日本が世界の役に立っているんだと思うと、少しうれしい気持ちになりました。また、ヤンゴン駅では日本の古い列車が使われていました。日本からミャンマーへ車両が国際協力の一環として、輸出されているようです。

日本で身の回りを見渡してみると、時計もスマホもPCも、電車も車も、日本の会社が作っています。気づかないうちに外資系のものを使っていたり、部品や材料など外国の支えが必要な部分はありますが、暮らしに必要なもので日本の会社で作ったもので揃えられないものって、知識が浅いこともあり飛行機くらいしか浮かびません。物心ついた時から、日本語が書かれた、日本の会社が作ったものを使うのが、私にとって当たり前でした。でも、途上国に出てみれば、それさえも普通のことではないんだと気づきました。

普段は日本なんて世界と比べたら、もうダメな国だと思いがちですが、自分の周りの当たり前が、どれほど昔の人の能力や努力で作られているのか、少し考えさせられました。

ミャンマー鉄道の旅で大変だったこと

基本的に平和な気持ちにんさせてくれるミャンマーの人々ですが、暮らしの環境に関しては、弱潔癖である私の心を常に荒立ててくれます。今までは良い面をご紹介したので、次は心がざわついた出来事をご紹介していきます。人はいいけど衛生環境がキツイ、これが私のミャンマーの印象です。

列車に冷房がない

ミャンマーは沖縄よりも、ずっと南にある熱帯の国なので、基本的に暑いです。一番涼しい季節の1月でさえ、ヤンゴンの気温は最高気温32℃、最低気温18℃。そんなミャンマーの列車なのに、冷房がありません。1番上のクラスの座席「Upper Class」でも、冷房なし。座席は結構フカフカでしたが、暑いとツラいですね。

私が行った乾季(冬)は、幸い比較的涼しく、窓を開けていれば風が吹いてくる環境でした。日中、晴れのなかの移動でしたが、汗だくで息苦しいほどのひどい暑さではありませんでした!私は日除け+蚊除けのためにずっと長袖を着ていましたが、じんわり汗をかいたくらいでした。

ちなみに普通の席はこんなかんじです。

蚊が多い

ミャンマーなど東南アジアでは、蚊を媒体として感染する病気があります。マラリアやデング熱です。特に、マラリアは比較的高い確率で死に至る恐ろしい病気。でもミャンマーは蚊を媒体とするマラリアを含む特別危険な病気が流行っているわけでもないらしく、病院で予防薬(経口)を出されることもなかったので、予防ができていません。蚊が危険だとはされていませんが、私は絶対に蚊に刺されたくない!!ヤンゴンの蚊は危険ではないという話もありましたが、今回は田舎の蚊なので、怖い!

しかし、窓全開、ドアなしの列車には蚊がたくさん…。特にヤンゴン駅で、
列車に乗り込んでから、出発待ちの時がひどかったです。動き始めたら風で飛ばされたのか、減りましたが、本当に怖かったです。

長そで長ズボンの上に、2時間おきに日本の空港で買ったディート12%の虫除けをしていたおかげか、幸い蚊に刺されることはありませんでした。虫除けスプレー、大切ですね。

揺れが激しい

線路の状態が良くないことが原因でスピードが出せないらしいですが、ものすごくゆっくりしか進みません。自転車のほうが早いのではというくらい。

それもあってか、列車の揺れが激しいです。9時間も乗っていれば慣れましたが、乗り物酔いする人は、酔い止めがあるといいかもしれません。また、これほど揺れるなら1等車ではなく、木の椅子のクラスで乗車したら、お尻が大変なことになるでしょうね。

トイレが汚い(汚すぎて一番の思い出になった)

9時間も列車に揺られていれば、どうしてもトイレに行かなくてはいけなくなります。

車両によって、座席もトイレも大きく当たりハズレがあるらしいのですが、私が乗った列車のトイレは洋式でした。しかし、座れる便座ではありません。

ここに誰が腰を掛けれるのかわからないレベル。私は潔癖気味ではありますが、そうでない人も普通の日本人には厳しいと思います。

そのため、洋式で空気椅子チャレンジ!!

いざトイレに入ってみると、改めて感じるのですが、電車は揺れが激しく、普通に立っているだけでもやっとです。空気椅子する前から、狭い室内の汚い壁に体がぶち当たります。こんな環境で、空気椅子状態を保って用を足すのは至難の技。

壁に体をぶち当てながらも、ベルトをカチャカチャし、なんとかトイレの扉を閉めるための取っ手をつかんでバランスをとり、用を足しましたが、本当に大変でした。女性は特に、電車の停車中に行くことをオススメします。

また、驚くのがこのトイレ、線路に直接垂れ流しタイプ。本来、水が溜まっているべき場所にあるのは穴なのです。底抜けで線路にそのまま垂れ流すスタイルです。日本も昔はそうだったらしいですが、その時代に生まれ育たなかった私にとって、奇想天外、不衛生な体験でした。

ヤンゴンからネピドーへの交通手段【比較】

不衛生でそわそわしてしまうこともありましたが、電車の車内で大声で歌う自由なおばさんがいたり、食べ物を売りに来る人たちの声でうるさすぎず、寂しくないミャンマーの鉄道。平和な空気の中、のんびりするのには悪くないなぁと思う旅でした!

今回は列車の体験をお話ししましたが、通常日本人が使う移動手段は、車か飛行機になるでしょう。最後にヤンゴンからネピドーへの交通手段を比較してまとめて終わります。

  • 自動車
    • 高速道路が出来ているので電車よりも速くて快適。(料金不明)
    • 約5時間で到着
    • 道中にサービスエリアのようなものもあり、トイレも安心!
  • 飛行機
    • 片道約1万円
    • 1時間以内でネピドーへ行ける
    • 最も快適で、ある意味、経済的と言えるでしょう
  • 列車
    • 一等車(Upper Class)で片道5000チャット(約500円)
    • 約9時間の旅
    • ネピドーへ行くことではなく、その過程を楽しむ旅好きにおすすめです。

以上、最後まで読んでくださりありがとうございました!

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