DINKSとはDouble Income No Kidsの略で選択子なしとも呼ばれる、あえて子供を持たない共働き夫婦のことです。
当事者として、「DINKS」と、ただ結婚せずに「カップル」でいたときの違いが何なのか思い出してみました。子どもを作らないのに結婚する意味あるの?という問いに近い気がするので、関連記事を載せておきます。
簡単に別れられない
私がカップルとDINKS(選択子なし)の違いだと思うのは、簡単に別れられないということです。
シンプルですが、とても大きな違いです。
最近、Youtubeでカップルの浮気調査インタビューの動画をよく見るのですが、浮気をする人って本当に多いですね。「自分はそんなことはしない」と思います。でも、「100%パートナーのことを一生、ずっと、途切れなく好きである」とは、言い切れません。そう言い切れる人って、そうそういないんじゃないでしょうか。
人の気持ちは、そんなに確固たるものではないと思います。年を重ねるごとに、環境が変わる度に、相手も自分も変わっていくのですから、時には嫌なところを見たり、嫌いになることだってあるでしょう。
どんなときでも、簡単に別れられないのが結婚の良さであり、カップルとの違いだと思います。
私は結婚してから、何度か大喧嘩をしたことがあります。その瞬間は、夫と結婚したことを悔やみました。なんでこんな人と結婚してしまったんだろうと思いました。普通に付き合っていたら、別れていたと思う場面もあります。
でも、結婚していたから、簡単には、別れられません。「しかたがないので」、どうしたら解決できるか考えようというスタンスで話し合いします。
当然ながら、今の幸せを思えば、別れなくてよかったと思います。
「簡単に別れられない」という、鎖のようなものが「結婚」なような気がします。
この書き方だと、結婚が2人をつなぎとめているかのようで嫌な感じですが、そういう悪い意味ではありません。別れることにも責任が伴うのが「結婚という契約」なのだと思うのです。
結婚のために乗り越えた試練が絆になる
あの時はツラかったけど、今ではいい思い出。
と、思えることって、皆さんの人生の中でもたくさんありませんか?
結婚も、乗り越える試練が多いので、それが絆になって深まることが、夫婦DINKSとカップルの違いだと思います。
結婚する方法は皆さんご存じのとおり、紙を書いて役所に出すだけ。簡単です。でも、一般的には、そこにたどり着くまでに多くの「やらなきゃいけないこと」が発生します。
結婚までにやるべきことの例
・家族への紹介
・相手の親へのあいさつ
・親同士の顔合わせ、結納
・同居のための引っ越し
・結婚式
ひとつのタスクとして書くと大したことありません。全部、「結婚のために、必須ではないけど、やらなきゃいけないこと」です。
この「必須ではない」というのが厄介で、人の価値観に左右されます。そして結婚しようとする2人の他人と、他人のそれぞれの家族が関わるので、「必須ではない」からこそ、「必要なのか?」を考え、決めていかなくてはいけません。
これらは幸せのための第一歩です。将来的には良い思い出になりますが、渦中にいるときは試練です。
喧嘩の原因にもなりやすく、「あるある喧嘩トラップ」がたくさん仕掛けられています。悪く言えば、結婚のためにやらなきゃいけないことは、「面倒ごと」とも言えるものだからです。
「相手のご家族に挨拶に行く」ことを具体的に考えてみましょう。
自分の服装、親の服装、手土産の内容や金額、場所、食事の内容、食事の時の会話内容でタブーがないか?を考えなくてはいけません。
服装は、どの程度まで正装するのか合わせなくてはいけません。ご両親が綺麗めな恰好をしているなか、こちらが着物で行ったら驚かれてしまいます。
手土産の金額や内容も、ご家族の好みや体調に合わせなくてはいけません。例えば、糖尿病のお父様がいる場合、そこに羊羹は不適切でしょう。
場所は、ご両親の住まいの近くにするのか、あえて我々の住むエリアにして紹介したいのか。夫は自分の家族なので、「失礼か?」という観点はなく、(楽しいだろうから)自分たちの街を紹介しようと言います。でも、私はそれはご家族に「失礼に当たらないか?」気にします。ネットで色々調べて不安になって、話し合って、最適な落としどころを、一つ一つ見つけていきます。
価値観の違いがあちこちに出てきて、すり合わせが何度も必要になります。
本当に喧嘩になります。この人と結婚して、本当に大丈夫かと悩むこともあるでしょう。
でも、このタイミングで悩み、考え、2人で何とか乗り越えるイベントごとが一気に訪れることで、2人のきずなが強まるのではないかなと思うのです。それぞれに意味があり、結婚するにあたって、やっておいて損はないことばかりだと思います。
この「苦悩の経験」がカップルにはない、夫婦になった2人のつながりとなるのではないでしょうか。
苦しみがいいんだよ、と言いたいわけではありません。でも、苦しみを乗り越えたことは、いい思い出になります。そして、新しい苦難が訪れたときの自信になります。あのころ、あんなことも乗り越えられたから大丈夫。そう思えるのです。
嫌なことの我慢が、積もり積もって嫌いになるのと、紙一重なのが難しいところですが。
もしも私が子どもが産めたなら、そして産んだのであれば、「子どもを産み育てる」ことも、きっと乗り越えた困難のひとつになったのでしょう。でも、子育てしなくても、夫婦で乗り越える困難はたくさんあります。
結婚当初の困難ばかり並べてしまいましたが、結婚してからも病気・転職・転勤等などいろんな想定外の事象は続き、それを二人で乗り越えていく必要があります。そして、子育てがなくたって、夫婦として、ちゃんとやっていけると私は信じています。むしろ、子育てしないからこそ、夫婦であるということを意識し、お互いを大切にしあって暮らせているとさえ思います。
権利・保障が得られる
法的に「結婚しているか」は、大きな違いを持ちます。お金が絡むことも多く、社会人になるとこの違いを痛感することも多いはずです。結婚がコスパが良いと言われることがある要因ですね。コスパが悪いと考える人もいるようですが、私はコスパは良いと思います。
結婚していないとできないこと
・家族のための保障が簡単には受けられない(配偶者控除・家賃補助・社宅・障害年金)
・病気の時も緊急連絡先になれない
・万が一の時の相続権がない
「婚約したので同居したいのですが、家賃補助はもらえますか?」と、従業員から問い合わせを受けることがあります。会社によって答えは違うかもしれませんが、答えは「不可」です。家賃補助や控除は基本的なところですが、家賃補助以外にも、企業によって、様々な保障が「家族」であることで受けられるでしょう。
そのほとんどは、「(不幸な)何かが起きたとき」に保障されることなので、何かが起きるまでは気が付きません。一部は事実婚でも一定の条件を満たしていれば保障されますが、証明が必要だったり、ただでさえ大変なときに、苦労を強いられることになるでしょう。
結婚していないというのは、大切な人に何かがあったときに、何の保障も得られないことなのです。
私の実体験としては、共働きですが、「結婚している」だけで、夫の会社から家賃補助が出るので家計を助けてもらっています。我が家は夫の方が私より収入が多いので、夫が主たる生計維持者になり、夫の会社から一定の年齢まで家賃補助が出る仕組みです。独身の場合は、家賃補助が止まる年齢が若いようです。ちなみにLGBTで事実婚の場合も同様に認められるとは思います。
ほかにも、病気で手術した時に、説明は家族と聞く必要があり夫に来てもらいました。たくさんの承諾書のサインも夫がしました。夫ができない場合は、親に来てもらったりする必要があります。人によっては距離的に大変な場合もあるでしょう。
さて、DINKSとカップルとの違い、というライトなテーマに対して、「万が一」のときの、重い話になってしまいました。でも、最初の簡単に別れられないのとつながりますが、カップルとの違いは「重い」ところにあるのだと思います。
結論 まとめ
DINKSとカップルの違いは、一言でいうと「重い」「社会的責任が伴う」というところでしょうか。※二言ですが。
簡単には別れられない、多くの困難を乗り越えて絆が強い、社会的責任とともに多くの権利や保障が得られる、という点を、DINKSとカップルの違いとして挙げました。
DINKS、つまり子どもを持たない夫婦という言葉は、社会的に叩かれやすい夫婦の形だと思います。公に叩かれたことはないですが、DINKSへの批判はネットでは大きいと感じます。結婚すれば子どもを産むのが当たり前、子どもがいないなら夫婦ではない、と考える人も多いようです。
私は子どもが産めないのでなおさら、「不可抗力なんです」と言い訳する気持ちと、「子どもがいるのがそんなに偉いのか?こちらはしっかり働いて税金を納めているが?」と反発する気持ち、どちらも抱えながら生きています。子どもが産めないと言い訳しましたが、子どもを産めても産まなかったかもしれません。なのでDINKSと自称し暮らしています。
お互いがお互いを妬む気持ちがあるからこその対立だと思うのですが、こういうことで悩まない世の中になっていくとうれしいです。
もちろん、悩まない世の中になったら、こんな記事書く必要もなくなるのでしょうけども。こういう記事が、DINKSと子持ちの論争を助長しているという声もあるかもしれません。でも、過去の私はDINKS、子どもを持たない夫婦の情報が少なくてとても悩みました。だからこそ、そういう人のためになるように、このようなサイトを作ることにしたのです。ご容赦ください。
他にも違いがあるかもしれないので、ぜひ違いを考えてみたいと思います!最後まで読んでくださりありがとうございました。