DINKSが語る、子なし希望の心変わりはあるのか?

子なし共働きで一生を過ごすと決めた夫婦をDINKS(ディンクス)と呼びます。

一般的には子どもを持つのが普通とされるので、理解が得られにくい家族の形です。DINKS婚活でもしない限り、前向きなDINKS希望者には出会えないでしょう。

DINKS希望者にとっても、DINKS希望者をパートナーに持つ方も、気になるのは相手の心変わり。

結論からいうと、心変わりはあります。

私は、若くして不妊確定のため、この心変わりを気にして、いろんな人の人生を見てきました。

今回は、自分自身や近くで見てきた知人のエピソードをご紹介します。

当事者の方は共感していただける部分があると思いますし、そうでない方は、そういう考えもあるのだと思っていただければ嬉しいです。過去の自分はこういった気持ちを1人で抱えてツラかったので、そういった方に届きますように。

この記事は以下の人におすすめです。

  • DINKSの人やDINKS希望の人
  • 子どもが産めない人
  • DINKS希望や不妊のパートナーを持つ人

子どもが産めない側は相手にゆだねるしかない

私は子どもが産めません。結婚前からわかっていたことでした。夫は子どもは欲しかった。でも、子どもはいなくても構わないよ、と、私と結婚してくれました。嬉しかった一方で、申し訳ない気持ちと不安が私の心に残りました。

もしも夫から、子どもがほしいから別れてほしい、だなんて言われたら、私は生きていけない。

同時に、子どもが欲しい夫を私が縛ることは、夫の人生を台無しにしてはいないのか?自分のため、夫のため、正しい答えが何なのか、よくわからなくなります。

子どもがいらないと相手に心から思ってほしい

不妊の私が、夫への強い罪悪感から解放される方法は、ただひとつ。夫が心から子どもがいなくてよかったと思ってもらうことだと考えました。

私は、夫に子どもを嫌いになってほしくて一生懸命になりました。

子どもが楽しそうに遊んでいたら、騒がしいね。子持ちが満員電車にベビーカーを電車に乗せてきたら、邪魔だし権利意識高すぎ。などなど。

ふと我に返ったとき、そんな発言をしている自分に対して幻滅し、惨めな気持ちになります。夫からしても、子どもや子持ちを否定する妻が、美しいはずがない。

頭ではわかってはいます。でも、純粋な自分の悪意と、夫にも共感してもらいたい、子ども嫌いになってほしい、その一心でやめられませんでした。

消えない罪悪感

ときどき、夫も私に同調して、子どもなんていなくてよかったー!と言ってくれます。夫の大切な気持ちを、奪ってしまったような罪悪感が湧きます。

それでも、どこかほっとするのです。私を置いて、どこにもいかないよ、って言われているかのようで。

夫が子ども好きでも罪悪感、夫が子どもを嫌いになっても罪悪感。私の罪悪感が消えることはありませんでした。

養子という地雷ワードから心変わりの危機を悟る

あるとき、夫が言うのです。「ねえ、養子とかどう?」

私はがっかりした気持ちになりました。焦りと、悲しみと、ほんの少しの怒り。

「子どもなんていなくてよかった」と夫が言ったときの罪悪感を返せと言わんばかりに。

ストレートに翻訳すると「やっぱり子ども欲しいんだけど」ということですね。

誰もが、当たり前のように持つ子ども。そんな、夫の欲しいものを与えられない、という罪悪感。不妊を理由に離婚されるのでは、という恐怖。養子への無理解へのいら立ち。

いろんな気持ちが混ざり合い、深く傷つき、「他人の子どもなんて無理」という、冷めた言葉しか出てきません。夫の本心はわかりません。何気ない一言だったかもしれません。

でも私にとっては、そこまでして、子どもが欲しいのか・・・。と思い知らされる一言でした。結婚して5年以上たった今も、心のどこかで、万が一の心変わりを恐れる自分がいます。

子どもがいない暮らしも最高です。自分の時間を多く設け、自分をより成長させることができます。お金にだって余裕があります。生活をより良くすることで、余計な気持ちが生まれないことを祈っているのです。

子どもが産めない人の、子どもへの執着心・警戒心は、特別かもしれません。子どもの産めないパートナーを持つ人は、不用意な子どもに関する発言には、気を付けてみるとよいかもしれません。

日本での養子の難しさ

余談ですが、少し養子について語ります。次の項目からは、友人の心変わりケースをご紹介します。

さて、あなたの周りに、養子として育った友達はいますか?

アメリカでは州によって多様性が認められているので、養子が盛んだったり、同性婚で子どもを持てたりするようです。でも、日本の環境は違います。

たくさん養子の友人が浮かびますか?私は1人もいません。いないのか、知らないのかは、わかりません。原因は、存在もわからないように、隠されているのと、そもそも数が少ないのと、その両方です。

厚生労働省によると、日本の特別養子縁組は年間500件程度しかないのです。

養子の種類

日本の養子には2種類あって、養子制度と、特別養子制度があります。

養子制度は成人でも利用でき、生みの親と育ての親の両方と、親子関係を維持できます。連れ子や相続目的で利用される制度です。

特別養子制度は、育ての親との親子関係は切り離して、育ての親が本当の親になって育てる制度です。望まない妊娠等で自分で育てられない子どもを産む人から、子どもをもらう。これが多くの人が想像する「養子をもらう」というものではないでしょうか。

ただ、養子はほしいから、はーい!と手を挙げて、じゃあどうぞ!と、簡単にもらえるものではありません。

特別養子制度は、非常に条件が厳しく、夫婦でそろって様々な調査や研修を受けなくてはなりません。また、養子として送り出してもらうために、生みの親の同意が必要となります。これは親やその家族の権利を守るものですが、迎え入れる側としては厄介なルールになります。

散々、養子を迎え入れる準備をした挙句に、生みの親が出産直後にやっぱり育てたい!となり、養子に来てもらえない、というケースも多いようです。養子をもらう側の権利は最も低く、どんなに振り回されても、何も言えないのです。

養子を育てることは簡単ではない

運よく無事養子を迎えられたとしても、日本で養子は多くないため、いじめにあうかもしれません。よって、養子であることを隠して育てることが多いでしょう。

また、子どもに養子であることを告知するか、という試練もあります。告知せずに愛情いっぱい育てても、何かの拍子に養子であることを知られ、育ての親を知りたいと言われるケースもあります。養子であることを告知せずに育てた子供から、「親だと思っていた人に裏切られた」と訴えられるケースもあったとか。

訴えられた里親の気持ちを想像するだけで涙が出ます。

そんな苦労や苦しみを味わってまで、他人の子どもを育てたいと思った人だけが、養子をもらいたいと言えるのです。不妊だというと、簡単に養子という言葉を出す人がいますが、それほど簡単なことではないのです。

私にはそこまでの勇気も気力もありませんので、養子には後ろ向きです。

DINKS子なし希望心変わり① 相手によって気持ちが変わる

子どもがいらない理由が、実は相手とは結婚したいわけではないという友人のケースをご紹介します。

友人Aさん(男性)の彼女は、子どもいらないタイプ。子ども好きなAさんは、彼女と結婚すべき悩んでいました。彼女は子どもが苦手なので、いなくてもいいと考えている様子。バリキャリ志向も強く、子どもがキャリアの邪魔になるとも思っていたようです。

それでも彼女と結婚したい、と結婚の準備を進めたのですが、最終的には彼女から価値観の相違などとして、フラれてしまいました。

その彼女はDINKSとしての人生を歩んだのでしょうか。

彼女はAさんと分かれ、次の彼氏と結婚。数年で子どもを作っていました。Aさんの分析によると、自分とは結婚したくなかっただけ、だったようです。

彼氏側の気持ちとしては非常に心苦しいですが、相手によって気持ちが変わるパターンもあります。

さすがに結婚まで進んだ関係だったので、この人の子どもを産みたくないということはないでしょう。でも、相手の考え方や両親の考え方など、いろんな気持ちが重なって、子どもが欲しいとなったのかもしれません。

DINKS子なし希望心変わり② 子どもができて気持ちが変わる

女性は子どもができると、ホルモンの影響で、子どもを愛おしいと思うようにインプットされています。

ホルモンの影響はすさまじいのです。子ども嫌いが、子どもを愛おしく思えるのも、オキシトシンという別名・幸せホルモンの影響です。出産や授乳で分泌されるものです。

女性なら想像できると思いますが、生理前のイライラなどもホルモンの影響です。普段ならイライラしないようなことで、生理前にとてつもなくイライラする。まるで性格が変わってしまったかのよう。

男性もそのような生理前の女性を、目にしたこともあるかもしれません。

そんな性格を変えてしまうようなホルモンのサポートもあり、子どもは愛おしいものと思える人がほとんど。なので、出産から育児中は、子どもがかわいい!愛おしい!という気持ちがしばらくは続くのです。

そこから我に返って、やっぱり子どもは嫌いというケースもありますし、ホルモンがうまく出ないこともあります。「産めば気持ちが変わる」とは言い切れません。人によります。

ただ、知り合いの中には、子ども嫌いだった人も喜んで子育てしている現実もあります。むしろ、子ども嫌いのほうが、子育てに夢を抱いていないので、失望せずに育てられるのかもしれません。

子どもが欲しくて欲しくて仕方がない友人が、出産を後悔していたこともありました。夫婦の時間がとれず、可愛いと思うことより苦しいことのほうが多い。できることなら子どもがいない頃に戻りたいと。

DINKS子なし希望心変わり③ 友人の影響で気持ちが変わる

友人の影響で気持ちが変わるケースについてご紹介します。

子どもは、結婚していたら持っていて当たり前の、初期装備のようなものです。結婚の次のステップは子どもであると、自然に決めつけられます。

本当は不妊の人とかもいるよね?と考えればわかることなのですが、そこまで気が回る人は少ないのが実情。

私は若くして結婚したので、私より後に結婚した友人が次々に出産していきます。おめでたいのだけど、置いて行かれた気がしてしまいます。

子なしであることに誇りを持てれば気持ちが違ったかもしれません。でも私の場合は、自分に自信がなく劣等感がより強くなる原因になりました。

また、周囲に流されやすいタイプ、みんなが持っているものが欲しいタイプだと、子どもが欲しくなる傾向もあるのではないでしょうか。自分だけ同じ話題にはいれないというのも寂しいでしょう。

DINKSでツラいなと思ったことは、別記事でまとめていますので良かったら見てください。

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DINKS(選択子なし)が語る、子なしの人生に後悔する6つの瞬間 DINKSが語る、子どもを持たない人生を悔やんだ瞬間をまとめました。当たり前ではない人生を選択したDINKSには、幸せもありますが、苦難も多いです。

DINKS子なし希望心変わり④ 親の反応で気持ちが変わる

親の影響で気持ちが変わるケースについてご紹介します。

人生における「家族」の重要さは、家庭によって大きな差があります。自分の当たり前は、案外、世間の当たり前ではないのです。

パートナーの親の言葉の重要度を、恋愛中にはかる機会は多くありませんが、結婚前に知っておきたいことのひとつ。

毎年親族で集まるのが恒例の家族もあれば、いとこの顔も名前もわからない家族、結婚式に兄弟が出席しない家族など、様々な家族の形があります。

自分の家族の形と乖離が大きければ、結婚生活がしにくくなるかもしれません。

また、結婚後に親の気持ちが変わって、パートナーが心変わりすることもあります。

例えば、自分は次男なので子なしでいいと思っていた。しかし長男の結婚が遅く、両親が自分に期待を寄せ始めている、などがあります。時代にそぐわないと思う人もいると思いますが、長男・次男を気にする人は未だに多いのです。

親の気持ちを重視し、やっぱり孫を見せてあげたい、と揺らぎ、子持ちになるというパターンもありました。

まとめ

DINKS子なし希望でも、妊娠や周囲の変化を機に気持ちが変わることはあります。

一方で、子どもを産んで後悔している人もいます。声を上げにくいのでリアルではあまり見かけませんが、実際はたくさんいるようです。DINKSの検索欄が、憎しみのワードで溢れかえるのも、そんな後悔からかもしれません。

人の気持ちは状況や環境によって大きく変わるものですし、心は死ぬまで成長していくものと言われています。※昔は成人までしか発達しないと思われていました。

DINKS、子なしとして生きることは、子どもを産み育てるという、みんなが経験するものを経験できない、焦りを感じることはあります。

でも、その分の時間を無駄に過ごすわけではありません。

心は移り変わるものということは受け入れながらも、より良いDINKSとしての生活を送るために、幸せを追求していければいいなと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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