DINKS(ディンクス)はDouble Income No Kidsの頭文字をとった言葉です。選択子なしとも呼ばれる、共働き夫婦のことを指します。
私は20代前半で結婚し、DINKS歴8年を超える30代DINKSとなりました。そんな私がDINKSで良かったと思っていることをご紹介します。
- 経済的に豊かな生活ができる
- 若いうちから投資もしやすく将来のお金も安心
- 子育て中心のキャリア設計をしなくても良い!
- 自己啓発にもじっくりお金と時間がかけられる
- 子どもがいないからこそ二人でラブラブで過ごせる
ちなみに、デメリットはこちらでまとめてみていますので、よかったら見てください。
最大のメリットは経済的に豊かでリッチな人生が送れること
一般的にもDINKSの最大のメリットとされるのが金銭的な余裕です。リッチという表現は、金銭的な意味だけではありません。お金の余裕は心の余裕という言葉があるように、私はお金の余裕により心にも余裕ができていると感じます。
子育てしないなら、約3000万円を夫婦のために使える
中学まで公立、高校以降私立で大卒まで育てるといくらかかるか知っていますか?
1人を育てるのにおおよそ3000万円かかるようです。私が子どもを育てるのであれば、最低限学校に通わせるだけではなく、自分が育ててもらったように、塾や習い事にもたくさん通わせてあげたいです。そう考えると、3000万円では済まなくなりそうですね。様々な補助金や制度があるとはいえ、子育ては出費が多いことは間違いないでしょう。もちろん子育てで得られる幸せや人生の充実は、プライスレスなことは理解しつつも、お金だけで見ればマイナスです。
家族の増減に合わせた支出がない
お金の視点で考えると、「子どもを持つ」ということは、増えるだけではなく、いつか減るというイベントも付随します。家族の増減に合わせて最適なものを用意しなくてはなりません。
まず、住居は、1LDKで寝室+リビングの生活では、子育てと仕事の両立は難しいでしょう。子供が寝る部屋が必須になります。また、保育園の確保や、学校のレベルや質など環境面の考慮も大切ですね。
次に、家具は、子どもに安全な環境を提供するために、角が丸いものにしたりと、変えていかなくてはなりません。テーブルも大きくしないといけませんね。
そして、家電は、冷蔵庫や洗濯機、炊飯器などは、家族の大きさによって買い替えが必要です。大は小を兼ねるということで、家族が減ってもそのまま使うことはできますが、無駄な電気代がかかったりします。
DINKSであれば、家族の増減リスクがないので、買い替えや借り換えが一切不要です。必要なときに必要なものを用意すればよいのです。副次的に、DINKSなら家や家具も、きれいなまま使い続けられるメリットもあります。
貯金を長期投資にしてお金を増やせる
一般的に子育て期間は、子育てにお金がかかるため貯蓄がしにくくなります。特に、子どもが大学に出るときは、一時マイナス収支になる家庭も多いようです。DINKSは共働きなので、収入によるかとは思いますが、妻の手取り分と夫の賞与分くらいは、簡単に貯蓄できます。余裕資金は長期投資に回せば、さらにお金を増やすことが可能です。
また、会社の制度に合わせてidecoやマッチング拠出(税制有利な確定拠出年金にプラスした年金)、積み立てNISAの活用で、老後のお金をキープしておくのも重要です。早めに始めておいてよかったと、30代になって思っています。個人的にはもっと積み立て投資しておけばよかったなと思いますが、それは右肩上がりだったというこの数年を見ての結果であって、婚とどうなるのかはわかりませんね。※投資は資産が減ることもあるので、個人の判断でしっかり勉強してから始めましょう。
ふるさと納税がたくさんできる
共働きのDINKSは、扶養の控除の恩恵が受けられないため、納税額が高くなりがちです。
ふるさと納税は、納税額に応じてなので、「お得」ではないですが、たくさん納税している分、高額な返礼品にも申し込めるのはDINKSならでは。家電も家電も、肉も鰻も申し込みできちゃいます。元々の高所得者にはおよびませんが、税金を納めている代わりに返礼品を貰えるのは、納めがいがあります。福利厚生のカフェテリアプランのようなものですね!
DINKSなら子育て中心のキャリア設計が不要
人事をしていて、面接での学生からの質問や若手からの相談で多いのが、子育てとの両立です。「子育て両立は女性だけ」と思いがちですが、昨今、特に今の20代~30代前半は、男性も育休を取る気満々です。もちろん男性は1か月前後が多いですが、休職される方が増えてきました。
DINKSは昇進を逃がすことがない
男性の1か月の休職が大きくキャリアを揺るがすことはないかもしれません。でも、子どもを産む女性は1年は休職することが多いです。
ブランクは長ければ長いほどキツイです。今時、休職することで査定が下がる、昇進が認められないということはないでしょう。ただ、ブランクが問題になります。最大2年休職できるので、特に女性は2年のブランクになる場合もありますね。
私は1年間専業主婦をしていたことがあるので、子育て経験はなくとも、ブランクの影響は想像できます。ブランクから戻ったときは、まるで新人のようです。メールの作り方さえも、おぼつかない気持ちで始めなくてはなりません。また、1年でシステムも、ルールも、お客様の担当者も、いろいろ変わっていて、変化についていけません。すべてに、キャッチアップするのに時間がかかるのです。
子育てしながら仕事をする期間がなく仕事に集中できる
子育ては、自分の思い通りにいかないことばかりだと聞きます。在宅勤務のオンライン会議の後ろで、子どもの泣き声や笑い声、奥様の怒鳴り声が聞こえることも。
当然、仕事に集中できないでしょう。
子育てを始めれば、仕事より大切なこととして、「家族」の順位が向上するので、気持ち的に問題ないかもしれません。でも、仕事も家庭も、どちらも頑張りたい人にはツラい環境だと思いました。
海外勤務のタイミングを逃さずキャリアアップできる
従業員から、子どもを産んで育てる前に海外勤務をしたいという声をよく耳にします。具体的には20代で海外に行きたいと。企業によるとは思いますが、一般的な大企業であれば、残念ながらその希望を叶えるのは難しいです。3社渡り歩いてきましたが、この傾向はどの業界でも同じでした。
国内でなら、子育てしながらグローバル業務に携われるでしょう。また、子どもを連れて、海外に駐在して、バリバリ働けるほど余裕があるなら、できるかもしれません。
でも、実態としては、入社当初海外志向だった社員も、出産後は海外志向が薄まります。諦め始めると言ってもいいのかもしれません。育児が大変でそれどころではない、海外は安全面や教育面を考慮した時に抵抗がある、という方がほとんど。男性の場合も、家族の了承が得られにくいという、思いもよらない壁にぶつかるケースがあるようです。
共働きだったら、男性が単身赴任で海外赴任をしようとすると、『こんなに育児が大変な私を置いていくの?私のキャリアはどうしてくれるの?』と責められたりもするのでしょう。
子育てを意識したキャリア設計は、素晴らしいことだと思います。でも、自分のキャリアが止まる時間とそのタイミングを考えなくて済むのはDINKSのメリットだといえるでしょう。
DINKSは自己啓発に時間とお金を使えるメリットもある
会社に頼るのではなく、自分のキャリアを自分で作り上げる時代になりました。転職や副業、フリーランスなど柔軟な働き方をする人が増えています。
DINKSであれば、終業後や休日に不足したスキルや知識を補うための自己啓発に十分な時間とお金を注げるのも大きなメリットです。
自己啓発に数百時間、数十万をかけられる
自己啓発のために必要な時間やお金は、時間は数百時間、お金も数十万のものが多くあります。
子育て中の夫婦は、子育てで時間やお金に余裕がないだけではなく、勉強しようにも家がにぎやかすぎて集中ができない、家族サービスの圧力がすごいなど、様々な障害があるようです。
実際に私もキャリアコンサルタントの資格取得のために、40万円の養成講座を受けました。毎週土曜日、終日の講座を3か月間受講し、試験のために仕事が終わってから30分~1時間程度勉強していました。仕事が忙しくて毎晩22時まで働いていたのですが、ストレートで難なく合格できました。
これは、DINKSだったからこそだと思います。もちろん子育てしながら合格された方もいらっしゃります。でも大変だったのではないかと思います。私は、夫も応援してくれて、講座のある日は食事を用意してくれたり家事をやってくれたり、サポートしてもらいつつですが、うまく過ごせたように感じています。
普段は1万円の自己投資さえも抵抗があったのですが、大人になってからの自己投資は多少金額が高くても価値があるものでした。変な投資セミナーなどは注意しましょう。
国家資格の取得など、時間と労力がかかるものに、若いうちにチャレンジできるのはDINKSのメリットです。働き盛りで記憶力も判断力も衰えていない若いうちに、レベルアップしていけるのです。
DINKSなら、2人の趣味を存分に楽しめるメリットがある
日本では親の人生を後回しにして子どもを優先する風潮が強くあります。親は親としての人生を要求されるがあまりに、人間らしく生きれていないのではないでしょうか。
日本で親になると自分の人生を生きられない
欧米では子どもをシッター預けて、夫婦で食事に出かけるような描写をドラマやニュースで見ることもありますよね。実際に、ドイツやカナダでの留学時代のホストマザーや友人の価値観を聞く限り、自分の人生は自分として楽しんでいる様子でした。
海外の、親としての自分だけでなく、妻として、女性として、人としての人生も謳歌することを大切にしている文化が私は素敵だと思います。日本では親として、子ども置いていくなんて、かわいそうと批判されることも多いでしょう。
最近は日本の価値観も欧米化して、変わりつつあります。それでも日本にいる限り、まだまだ親としての人生が中心になるのだと推察されます。
カップルとして、人として、人生を謳歌できる
DINKSであれば、カップルとして、人としての人生を存分に楽しむことができます。今の私の休日は、ほぼ毎週夫と二人で気ままな小旅行をしています。
一日の流れとしては、目的地も決めずに車を走らせ、好きなアニメや映画を見ながら目的地まで向かいます。おしゃれなカフェでおいしいランチを食べて、綺麗な景色の写真を撮ります。車で今日の感想を言い合いながら、帰宅する日々を楽しんでいます。
子どもがいたとしたら、どうでしょう。
子ども向けの遊び場を探し、子どもの好きなアンパンマンを見ながら目的地に向かいます。子どもが騒いでも大丈夫そうなファミレスでランチを食べて、子どもが遊んでいる姿を眺めるのでしょう。そして、子どもの制御に疲れ果てながら、帰宅する、という子ども中心の生活になるのでしょう。
どちらが良い・悪いではないと思いますが、私は子どもを産めないので、前者のDINKSライフを謳歌したいと思います。
お互いを好きだから夫婦でいられる
子どもがいるから離婚できない、という言葉を聞いたことはありませんか?
金銭的な理由や、子どもにはお父さんが必要だから、という理由で離婚しない夫婦が一定数いるようです。そしてその一部は、子どもが成人したときに離婚するのです。
子どもができると、親になってしまうという話があります。ホルモン的にも母親になると、しばらくは妊娠すべきではないので、父親を遠ざけるようにインプットされているようです。それが続いてしまい、夫婦関係がうまくいかないケースもあるようです。
好きではない配偶者と一緒に毎日を過ごすなんて大変でしょう。夫婦で会話やスキンシップがないなんて、なぜ夫婦なのだろうと思います。
DINKSならいつだって恋人同士
DINKSなら、夫婦でずっといられます。一緒にいることが苦痛なら、離婚だってできます。
でも、好きだから一緒にいるのです。
特に最近はコロナになって、自宅に一緒にいることがかなり増えましたが、夫がいることは私の支えになっています。
一緒にいたいから、一緒にいる。これが実現しやすいのはDINKSのメリットの一つであり、とても大切なことだと思います。
DINKSでいるメリットのまとめ
経済的メリットしかない、冷めたイメージを持たれやすいDINKSですが、そんなことはありません。
経済的な豊かさだけではなく、キャリア面、人生・恋愛的な面でもメリットがあります。
DINKSという人生の選択肢も悪くない、そう思っていただけたら嬉しいです。
とはいえ、後悔する瞬間ももちろんあります。後悔も振り返ってみましたので、こちらもぜひご覧ください!